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給与ではない「金銭」を支払うとき、税金や社会保険の計算はどうすべき?

給与ではない「金銭」を支払うとき、税金や社会保険の計算はどうすべき? - 社会保険労務士事務所オフィスアールワン | 東京都千代田区

こんにちは。社会保険労務士事務所オフィスアールワンの笹沼(ささぬま)です。最近、寝る前のストレッチが日課となっています。ほんの5分程度なのですが、ストレッチをした方が朝の目覚めが良い気がしています。

会社では、社員のかたに通常の給与とは異なる「金銭の支払い」が発生するケースがまれにあります。たとえば、退職する社員の有給休暇の買上げを行う場合や、労災で休業した社員に休業補償を支払う場合などです。

そのような場合、税金や社会保険の計算においてはどのように取扱いをされていますか?

そこで取扱いを誤ってしまうと、退職した社員とのトラブルに発展するケースや、訂正処理に多大な時間がかかってしまうことも。今回は正しい対応をおさえておきましょう。

 

特殊な金銭の支払が発生するケース

まず、おもに考えられるケースは4パターンです。

(1)解雇予告手当 ・・・解雇する場合に発生しうる

(2)有給休暇の買上げ ・・・退職時に未消化分の有給休暇の日数を買い上げる場合

(3)休業手当 ・・・会社都合で休業させる場合

(4)休業補償 ・・・労災事故が起こり、従業員が会社を休業した場合

これらはそれぞれ、「雇用保険の対象か」「社会保険の対象か」といった区分が異なっていますので、個別に見ていきましょう。

 

1「解雇予告手当」と2「有給休暇の買上げ」の場合

従業員の解雇を実施する場合に、状況に応じて支払いが発生する「解雇予告手当」と、「有給休暇の買上げ」はいずれも取り扱いは同じものとなります。

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①給与手当の一部と考えて、給与課税して支給しているケースが多く見受けられますが、給与所得ではなく退職所得となります。

②労働の対価として支給されたわけではありませんので、社会保険および雇用保険の対象ではありません。

③退職所得であるため、「退職所得の受給に関する申告書 退職所得申告書」が必要です。

 

3「休業手当」の場合

会社の都合によって、従業員に休業をさせる場合は休業手当を支給する必要がありますがその場合の取り扱いは次のとおりです。

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①この場合は給与所得となり、社会保険および雇用保険の対象となります。

②社会保険の算定基礎届や、月額変更の基礎賃金にも算入する必要があります。

 

4「休業補償」の場合

労災事故により従業員が休業した場合、休業開始日から3日間は労災の給付を受けることができません。そのため、その3日間は事業主が平均賃金の60%以上の金銭を補償する必要があります。

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①支給した全額は非課税となり、社会保険および雇用保険の対象になりません。

②また、休業4日目以降は労災の給付を受けることができますが、会社の規程に基づき、上乗せ補償をする場合があります。この上乗せ補償して支払った金額も①と同じで非課税となりますので注意が必要です。

 

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以上、今回はおもな4パターンに絞って確認してきました。

たとえば「有給休暇の買い上げ」の場合、本来は課税対象とならないにも関わらず、給与扱いで課税対象として計算してしまい、退職した社員から「約束していた金額と違う!」といったトラブルに発展することなどが考えられます。

ちなみに在籍期間中の有給休暇の買上げは、法定以上に付与している日数や時効で消滅する日数の買上げを除き、原則禁止されています。ただし、退職時においては会社と従業員が合意をすれば、買上げは可能です。

実際としては、退職の申出を行った従業員が退職時まで有給消化をしようとする際に、会社側からの提案として、「引き継ぎのために退職日までは出勤してほしい(有給は消化しないでほしい)、残った有給は買上げを行うから」という申出によって発生することが多いようです。

いずれにせよ、イレギュラーな金銭の支払案件には慎重な対応が必要ですので、十分に注意しましょう。
 

まとめ
今回のトピックについて、会社が取り組むべきこと

イレギュラーな金銭支払の、正しい課税計算

万が一扱いを誤った場合のスピーディーな修正

 

笹沼 瞬(ささぬましゅん)のイメージ

執筆者

社会保険労務士事務所オフィスアールワン 笹沼 瞬(ささぬましゅん)
生命保険会社の営業職から転じて、入社5年目を迎えます。担当クライアントの多くが社員100名以上の規模の会社様ということもあり、法改正の情報は特に早めにキャッチアップすることを心がけています。得意な分野の助成金・補助金申請はずいぶんと経験値が増えてきました。 和柄のTシャツと豆腐に目がなく、自宅の冷蔵庫には常に豆腐が入ってます。

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