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感染症による就労禁止。従業員ではなく、その家族がかかった場合は・・・?

感染症による就労禁止。従業員ではなく、その家族がかかった場合は・・・? - 社会保険労務士事務所オフィスアールワン | 東京都千代田区

こんにちは。社会保険労務士事務所オフィスアールワンの鈴木(すずき)です。最近、みかんを箱買いしましたが、ついつい手が伸びてしまい、あっという間に無くなりそうです。次は、別の産地のみかんも試してみようと思っています。

さて、寒さが少しずつ厳しくなり、インフルエンザやノロウイルスなどの感染症が流行する季節になってきましたね。もちろん病気は予防が第一ですが、もしも従業員が感染症にかかった場合に、会社にはどのような対応が求められるのでしょうか?

実はここで判断が難しいのは、本人ではなく「その家族」が羅患した場合なのです。

 

従業員本人が感染症にかかった場合

労働安全衛生法では、労働者が厚生労働省令で定める『伝染性の疾病』にかかった場合、事業者は従業員の就業を禁止しなければならない、としています。つまり、職場で集団感染を引き起こさないために、会社側は本人がいくら就労を希望していても働かせてはいけないのです。

厚生労働省令で定める『伝染性』とは、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」で定めている、一類から五類のうち、四類と五類に該当する症例(外部リンク/厚生労働省)となります。そこでは、インフルエンザや、E型肝炎など、具体的な病名が指定されています。

まずはそちらの指定病名をチェックしつつ、事前に産業医や専門医とも相談をして、従業員がこれらの感染症にかかった場合の対処法を決めておきましょう。

 

従業員の家族が感染症にかかった場合

それでは、従業員本人ではなく、その家族が感染した場合はどうなのでしょうか?

この場合の結論は、「各会社の判断による」となります。

労働安全衛生法で定められているのは、本人が感染した場合のみであり、家族や同居人が感染した場合の取り決めについては、明確にはされていません。そのため、会社毎にそれぞれ対処法を決めておく必要があります。

 

具体的な対処法としては、以下のものが考えられます。

①念のために従業員に休みを取ってもらう。

②会社には出社せず、「在宅勤務」としてもらう。

③本人がかかっているわけではないので、気にせず出社させる。

 

まず③の選択肢について、本人が罹患しているわけではないので、たしかに出社させることは可能です。しかし、家族が感染症にかかっている場合、本人も感染している可能性も高いといえます。会社での集団感染を防止するためには、やはり選択するべきではないでしょう。

そこで、①と②のいずれかの、本人に出社をさせない方法をとるべきです。

②の「在宅勤務」が勤務体系としてもしも可能であれば、積極的にそちらを利用することをおすすめします。なぜなら、①によって従業員を休ませた場合には、従業員に対して休業手当を支払わなければならない可能性があるためです。

 

「働けるのに、会社が休ませている」ということに。

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ここで先ほどの①の「従業員を休ませた場合」の休業手当についてもう少し説明します。

従業員が本人の感染症などを理由に医師から就業を禁止された場合には、健康保険から傷病手当金が支給されることになります。

しかし、本人ではなく家族が感染症にかかった場合、従業員本人に対して医師が就業を禁止しているのではありません。その場合、従業員側が働ける状態にあるにも関わらず、会社からの申し出で休ませているということになってしまいます。そうすると、労働基準法の「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当し、「給与の6割以上」の休業手当を支払う必要が出てくるのです。

 

このような場合に、従業員を休ませながらも休業手当を支払わない方法としては、

*従業員を休ませた期間を特別休暇として扱い、欠勤控除をせずに給与を支給する

あるいは

*本人に有給休暇を取ってもらう

という方法があります。

※ただし、有給休暇は従業員本人からの申し出によるため、会社側から強制することも、規則で定めることもできないことにご注意ください。

 

会社のルールを事前に定めておくことが一番です。

それでは、改めて会社としてとるべき対策をまとめます。

まずは、従業員を休ませた場合の給与の取り扱いについて、自社の給与規程がどうなっているのかを確認しておきましょう。もしも規程が定まっていなければ、ルールを決めて、しっかりと規程に反映させておく必要があります。

そして、社内感染のリスクや不安を取り除くためにも、家族が感染症に感染した場合には、念のために従業員本人にもしばらく休んでもらうことが一番です。その場合の対応方法についても明確に定めておきましょう。

ストレスチェック制度が始まり、身体だけでなく、心の健康についても管理が求められるようになっています。会社の安全衛生管理体制や従業員の体調管理など、自社の健康管理を改めて見直してみるにはよい時期かもしれません。

 

まとめ
今回のトピックについて、会社が取り組むべきこと

従業員が感染した場合の対処を事前に医師と相談

家族が感染した場合の従業員本人の休ませかたを決定

給与規程に従業員を休ませた場合の取扱いを記載

 

鈴木 悠也(すずきゆうや)のイメージ

執筆者

社会保険労務士事務所オフィスアールワン 鈴木 悠也(すずきゆうや)
前職を退職したきっかけが自身の腰痛であり、そこで「労災」の分野に興味を持ちこの業界に飛び込みました。 現在は日々ご依頼いただくお客様の社会保険・労働保険の手続申請に、迅速かつ正確に対処していくことがミッション。入社2年目、毎日が勉強です。 旅行が好きで、時間がある時は、次はどこに行こうかと計画を練っています。

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