アールワン日誌 Blog

思いもよらず・・・労働保険調査の場で、働く喜びについて考えました。

2014/04/22

思いもよらず・・・労働保険調査の場で、働く喜びについて考えました。 - 社会保険労務士法人アールワン | 東京都千代田区

こんにちは。社会保険労務士法人アールワン代表の高澤です。事務所を開設して、はや19年。現在は東京の半蔵門で、9名のスタッフと日々奮闘しています。

このブログでは、これまでの社会保険労務士、そして経営者としての経験を通じて、感じたことやさまざまな現場のエピソードをお伝えしていきたいと思います。

今回のテーマは「働く喜びについて考えました」です。

 

「いい仕事があったら明日にでも・・・」

これは3年ほど前、お客様の社内において労働保険料の調査の場でのエピソードです。会社の総務部長は監督官に言われた書類を用意しに席をはずされました。残されたのは監督官2名と私。さてさて、どう間を持たせたらよいのやら・・・、という場面になりました。

窓の無い部屋で、「いい天気ですね」もないなあと思い

「監督官もお忙しくて大変ですよね」

とやや苦しまぎれに言葉を発したところ、

 

監督官(男性)「そうなんですよ、いい仕事があったら明日にでも辞めたいと思っているんですよ」

「(・・・!!!)」

 

さらに間髪をいれずに隣にいた部下の女性の監督官に

監督官(男性)「な、お前もそうだろ」

とふると、その方も無言でゆっくりと

監督官(女性)「(コクリ)」

と大きくうなずかれました・・・。

 

捨て台詞をはいて帰っていく人も。

pixta_4277686_S - 社会保険労務士事務所オフィスアールワン | 東京都千代田区

予想外の展開にいすからずり落ちそうになりながら、

「そ、それぐらいお忙しくて大変ってことですよね」

と言うと、男性の監督官は「待ってました」とばかり、

*監督署に相談に来る人の中には自分に都合のいい答えが返ってこないと捨て台詞をはいて帰っていく人もいる!

*自分にも問題があることに気づこうともしない!

*そもそも最近の日本の道徳教育に問題がある!

・・・などなど、まさにノンストップ状態となりました。

 

「で、でも、監督官には時間外手当は出ているんですよね」、

監督官(男性)「(ふん、とばかりに)それだって出るようになったのは最近ですよ。出ていないことで、内部で大問題になってからです。ところで、どこかいい就職先、ないですかね」

「(・・・うちのお客様の会社で元監督官を雇いたいというところ・・。・・・どこ?・・・ある?)」

と考えているうちにようやくお客様の総務部長が書類を持って戻り、びっくりタイムは終了。労働保険料の調査も、なにも指摘事項なく無事に終了しました。

 

働く喜びは人それぞれですが。

事務所までの帰り道、JR東海道線に乗りながらしみじみと振り返ってみました。

監督官だって世にあまたある職業のひとつ。ならば、「ありがとう」と言われることがそんなになくって(ましてや捨て台詞なんてつらい・・)、ただ「仕事だから」でこなしていくだけの毎日はしんどいはず。きっと、そんな削れた気持ちを誰かに伝えたかったんだろうなあ、と思いました。

誰かに感謝されたこと・・・自分の経験を思い出してみると、それは独立して1年目のこと、新宿社会保険事務所の無料相談の場面でした。

ご主人を亡くされたという、とても上品な年配の女性の方から遺族年金のご質問を受けたときのこと。たいした経験も無く、本に書かれている以上の知識も無い私の説明に、

「今までいろんな方に相談したけれど、あなたのお話が一番わかりやすくって、ようやくよくわかったわ」

とおっしゃって帰っていかれました。このお言葉をいただいた時のうれしかったこと!!!!!

何を働く喜びと感ずるのか、人それぞれ。でも「ありがとう」や「助かりました」と言っていただいた瞬間の、心に暖かいお湯が入ってくるようなあの感触、私にとっては何物にもかえがたいことです。そのような仕事に就けたことが何よりもハッピーであることを、いつも忘れずにいたいものです!

企業の経営者・担当者さま

「もっと詳しく知りたい」「今この件で困っている」そのようなときには、こちらよりご連絡ください。

WEBからのお問い合せはこちら

高澤 留美子(たかさわるみこ)のイメージ

執筆者

社会保険労務士法人アールワン 高澤 留美子(たかさわるみこ)
社会保険労務士事務所を開設して、歳月がたちました。最初の事務所は自宅の子ども部屋でした。お客様と本音でつながっている「パートナー」になれるよう、日々研鑽しています。モットーは「人間万事塞翁が馬」です。