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問題のある社員を解雇するために、会社に求められる7つのポイント。

問題のある社員を解雇するために、会社に求められる7つのポイント。

こんにちは。千代田区の社会保険労務士事務所オフィスアールワンの西嶋(にしじま)です。最近、炭水化物抜きダイエットをしています。始めて3週間ほどですが、若干の効果が感じられます・・・。

さて、あなたの会社には、問題のある行動をとり、組織を乱すような社員はいますか?

「上司の指示を聞かない」「取引先とトラブルを起こす」「自己中心的で協調性がない」など・・・もしもそのような人がいれば、会社としても職場の秩序を守るために毅然と対応しなければならないでしょう。

しかし、もしも「解雇」となれば、会社側もその適法性が厳しく問われます。そこで、今回はそのような社員がいる場合の適切な対応方法についてお伝えします。

 

解雇処分の事前に必要な7つの対応

解雇の法的な有効性が認められるためには、「解雇の必要性や合理性」と「解雇を回避しようとした会社としての努力」が必須となります。そのため、会社はあらかじめ、次の対応をしている必要があります。

 

1. 就業規則の見直し 《必須です》
そもそも、会社の就業規則に解雇についての定めが無ければ、処分を行うことはできません。就業規則のなかの「懲戒処分・解雇条項」の確認をしておきましょう。

2. 問題事案の把握
問題のある社員が、「いつ」「どこで」「どのような」行動があったのかを記録し、証拠を残しておきます。

3. 口頭での注意
まずは口頭で注意をします。その場合も「いつ」「どこで」「どんな内容で」注意をしたのかを履歴として残します。

4. 書面での改善指導
口頭での注意を数回しても改善が見られない場合には、書面による注意指導を行います。書面は、改善されない場合の懲戒処分を前提とした内容にします。

5. 改善する機会を与える 《必須です》
定期的に本人との面談を行います。3ヶ月や6ヶ月など、事前に決めた期間のなかで改善が見られるかどうかを確認します。

6. 解雇事由を証明できる証拠を残しておく 《必須です》
従業員が解雇を不当とした場合にそなえて、解雇事由を証明できる証拠を残しておく。(口頭での注意、改善指導・教育の履歴などもすべて記録します)

7. 改善が見られない場合の対応
改善指導の後は、状況に応じて下記の対応のいずれかを行います。

A 改善は見られないが継続して雇用する場合
→就業規則の懲戒処分条項に基づき、懲戒処分を行います。

B 改善が見られず雇用継続が困難な場合
→自主的に退職してもらうよう、「退職勧奨」を行います。(退職勧奨については、こちらの記事をご覧ください)
→もしも退職勧奨に応じない場合は、「解雇」(普通解雇※)する方向で検討します。(この場合、就業規則の解雇条項に該当している必要があります)
※従業員側に「問題行動」、「能力不足」、「勤務態度不良」等の問題があり、それを理由として行われる解雇のことです。

 

従業員の解雇処分が認められた裁判例

ここまで見てきたように、会社には相応の時間と何段階もの対応が求めれますが、それによってはじめて、「解雇」という選択が適法とみなされます。実際に、次のような判例もあります。

問題の社員は、約5年間に渡って上司・同僚からの指示に従わず、業務指示違反を繰り返してきた。会社も、従業員に対して改善に向けた教育・指導を5年間で5回行ってきたが、改善は全く見られなかった。

→ 就業規則の解雇条項「勤務態度が著しく不良で、改善の見込みがないと認められるとき」に該当するとみなされ、「解雇は有効である」という判決が出た。 
日本ヒューレットパッカード解雇事件(東京高裁 平成25年3月21日)

 

ここで、解雇が有効になったポイントは次の2点です。

①  改善指導・教育を5年間で計5回も行ったにも関わらず、改善の見込みが無かったこと。
②  業務指示違反の一つひとつは解雇に相当しなかったものの、それが積み重なることで解雇が有効と判断されたこと。

 

就業ルールを守らず、周囲に迷惑をかける従業員であれば、「すぐに辞めさせたい」と思ってしまうのが正直な気持ちではないでしょうか。しかし、その対応を誤って、もしも裁判となってしまえば、会社に多大な労力と出費が生じる場合もあります。

そもそも、最初に時間と費用をかけて、会社の戦力になってくれると期待して採用した社員ですから、まずは可能な限りの改善の機会を与えるべきではないでしょか。そして、本当に「最後の手段」として退職勧奨や解雇といった対応をご検討ください。

 

社会保険労務士事務所オフィスアールワン 西嶋 一樹(にしじまかずき)のイメージ

執筆者

社会保険労務士事務所オフィスアールワン 西嶋 一樹(にしじまかずき)
サッカーと水泳が好きな32歳です。 担当しているクライアントのほとんどが100人未満の中小規模の会社様ですので、大企業とは異なるスタイルでの人事労務のリスクマネジメントに腐心しています。最近はマイナンバー対応に注力しており、得意分野といえるようになってきました。 いつの日かサッカーの本場イングランドでサッカー観戦がしたいと思っています。

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