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意外と見落とされている、従業員の退職にまつわるルールとは?

意外と見落とされている、従業員の退職にまつわるルールとは? - 社会保険労務士事務所オフィスアールワン | 東京都千代田区

こんにちは。東京都千代田区の社会保険労務士事務所オフィスアールワンの西嶋(にしじま)です。先月の北海道旅行で、大自然と美味しい物を堪能してきました。よいリフレッシュになりました!

従業員が会社を退職するという場合、その理由の大半は「自己都合退職」や「定年退職」となります。「解雇」といった場合における会社側のリスクやその対策は意識されているものの、自己都合や定年などの場合だと「会社のリスクは特にない」と考えている方も多いのではないでしょうか?

しかし、どのような退職理由であっても、それに関わる会社のリスクがゼロということはありえません。今回は、「自己都合退職」や「定年退職」について会社があらかじめ定めておくべきルールをお知らせします

 

「自己都合退職」の場合

「従業員が自己都合で退職する」というのが、退職のなかでは最も多いケースでしょう。

そこでもしも、従業員から突然「明日、退職します」と言われてしまえば、当然ながら会社運営には支障が出てしまいます。そのため、業務の引継ぎや、欠員募集期間を考慮したうえで「所定の期日までに会社に申し出る」ということは、当然社内のルールが必要です。

また、最近では会社の機密情報や個人情報を、USBメモリなどを使って簡単に外部に持ち出せてしまうというリスクも。このような情報流出への対策も必要です。

 

そのため、就業規則において次のようにルールを定めておきましょう。

①退職届の提出期限について
民法627条により、雇用契約は解約の申し入れから2週間を経過することにより終了すると定められています。しかし、会社の業務の引継ぎ、人員補充等を考慮するとこれではとても間に合いません。そこで会社として「退職届は退職日の2ヶ月前までに提出」などと設定して、業務に支障をきたさないようにしましょう。

②業務の引継ぎについて
次のように規定します。
「退職願を提出したものは、会社の承認があるまで従前の業務に従事するとともに、会社の指示に従い必要事項の引継ぎを完全に行わなければなりません」

③会社から貸与している物や金品の返却について
次のように規定します。
「退職する者(解雇された者を含みます)は、健康保険被保険者証等、会社からの貸与物等を返還するとともに、会社に債務がある場合には、退職の日までに完済しなければなりません」

④「機密情報・個人情報誓約書」について
次のように規定します。
「従業員は、在職中はもちろんのこと退職後においても、自己の職務に関すると否とを問わず、会社の内部事項または業務上知り得た機密にかかる事項および会社の不利益となる事項を許可なく他に漏らしてはなりません。こちらについては退職時に誓約書を提出してください」
そして、退職者には必ず署名・捺印をしてもらいます。

 

ちなみに、従業員からの口頭による退職意思表示は法的には有効ですが、それでも退職届は必ず提出してもらいましょう。一身上の都合で退職したはずの従業員が「会社から退職を強要された」と言ってくるケースがまれにあるためです。このようなときに、退職届は事実確認ができる重要な証拠になります。

 

「定年退職」の場合

雇用期間の定めのない従業員が会社の定める年齢に達したときに、自動的に雇用契約が終了するのが定年退職です。

まず、定年退職の時期の定めは単に「◯歳」というだけではなく、特定しておく必要があります。

例:「60歳になった後の給与締切日」「60歳になった誕生日後」など

 

そして、定年後に「再雇用」を行う場合のルールも就業規則に定めておきましょう。平成18年の高齢者雇用安定法の改正により、定年年齢を60歳としている会社であっても、労働者が希望する場合は、原則として会社は65歳まで再雇用する義務があります。

例:「本人が再雇用を希望する場合は、1年契約の嘱託契約により65歳まで再雇用を行う」など

再雇用後の雇用条件をめぐって、従業員とのトラブルが発生するケースがありますが、このように再雇用のルールを明記し、雇用契約書(退職金や賞与の有無などを記載)を交わすことがその対策となります。

 

残念ながら、従業員が退職する際に会社との間で問題が起きるケースは決して少なくありません。そのため、今回説明した就業規則によるリスク対策はもちろん必要なことです。しかし、もしも会社と従業員が、これまでの関係に対する誠意や敬意をお互いに持っていれば、そもそも大きなトラブルには発展しないのではないでしょうか?そのような気持ちが自然と生まれる環境であることが、何よりも大切なことだと私は考えています。

 

西嶋 一樹(にしじまかずき)のイメージ

執筆者

社会保険労務士事務所オフィスアールワン 西嶋 一樹(にしじまかずき)
サッカーと水泳が好きな32歳です。 担当しているクライアントのほとんどが100人未満の中小規模の会社様ですので、大企業とは異なるスタイルでの人事労務のリスクマネジメントに腐心しています。最近はマイナンバー対応に注力しており、得意分野といえるようになってきました。 いつの日かサッカーの本場イングランドでサッカー観戦がしたいと思っています。

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