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《徹底解説》従業員の「懲戒処分」に踏み切るときは。 -第2回-(全3回)

《徹底解説》従業員の「懲戒処分」に踏み切るときは。 -第2回-(全3回) - 社会保険労務士事務所オフィスアールワン | 東京都千代田区

こんにちは。東京都千代田区の社会保険労務士事務所オフィスアールワンの濵中(はまなか)です。この記事の執筆時点では、プロ野球も残すところ日本シリーズのみとなっており、少しさみしい気分になっている今日この頃です。

さて、今回は従業員を懲戒処分するまでのプロセスを全3回にわたって解説していく記事の「第2回」となります。


 

前回の記事にも掲載しましたが、会社のリスクを極力排除した懲戒処分のプロセスは次のとおりです。

不祥事の発生

①事実関係の調査

②懲戒処分の検討

③就業規則における所定の手続き

④懲戒処分の内容の決定

懲戒処分

 

このうち、前回は「①事実関係の調査」について解説いたしましたので、今回の記事は「②懲戒処分の検討」「③就業規則における所定の手続き」についてです。

 

「②懲戒処分の検討」とは

前回の記事の「①事実関係の調査」で明らかになった事実をもとに、「懲戒処分をすることがやむを得ない」との判断(※)に至ったときには、その次に、どの懲戒処分を適用するかが問題となります。

※この判断は、社長の独断で決めるよりも、懲罰委員会を開催して、そこで皆の意見を集約して結論を出したほうが客観的判断とみなされ、その妥当性が増します。

この「②懲戒処分の検討」は《就業規則上のいずれの懲戒事由にあたり得るか?》や《懲戒の種類としてはどれが妥当か?》について、過去の処分事例(これまでの自社での処分)に照らしながら検討するプロセスです。

例えばですが、解雇した従業員との間でもしも裁判となったときに「懲戒解雇は妥当ではない(処分が重すぎる)」という判決により無効とされれば、解雇後の期間についても在籍していたことになり、さかのぼって給与を支払う必要がでてきます。また、「重すぎる処分」や「軽すぎる処分」は、他の従業員全体のその後の士気にも影響してくるはずです。

そのため、妥当な処分の決定には十分な注意が払われなければいけません。

 

処分の重さは「情状」によって判断します

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それでは、それぞれの状況によって、懲戒処分の重さをどのように判断するべきでしょうか?

そもそも、懲戒処分は「企業秩序を守る」ために行われることが大前提になります。そのため、周りに与える影響が大きくなってくれば、そのぶん処分の内容としては重くなるべきです。逆に、企業に影響を与えていないプライベートの行為に対しては、原則として懲戒処分はできません。

そのようなポイントをふまえつつ、処分の重たさを決定する際に考慮すべき一般的な情状(状況)は次のとおりです。

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例えば「会社の顧客情報を流出させた」ことに対する懲戒処分のケースを考えてみます。

 

その原因は、次のいずれであるか?

A《故意に会社からデータを抜き出して流出させた》
B《貸与された携帯電話を紛失してしまったことにより、結果として流出させてしまった》

事件発生後の本人の行動は、次のいずれであるか?

A《流出の事実や、自分が関わった証拠を隠そうとした》
B《自分から報告(自首)したうえで、その後の調査にも協力的である》

事件の前における会社側の対応は、次のいずれであるか?

A《個人情報の流出リスクについて、日頃から社内での教育や対策が行われていた》
B《そのような教育や対策は、特に実施されてこなかった》

 

このようなポイントが、処分の重たさを決定するうえで十分に考慮されなければいけません。

 

「③就業規則における所定の手続き」とは

会社によっては懲戒規程を設け、そこに《懲罰委員会の開催》や《従業員の弁明の場を設ける》など懲戒処分までの流れを規定化している場合があります。そのような場合は、途中でそのプロセスを省略することなく、決められた流れに沿って進める必要があります。

このような流れを規則に定めていないという会社もありますが、そもそも(この記事のテーマでもある)「懲戒処分の妥当性」を判断するもっとも重要なポイントは、その処分内容が「客観的であるかどうか」になります。その処分が、いつ、どのようなプロセスで、誰の意思によって決定されたのかを明確にしておくためには、事前に懲戒規程を設けておき、客観性を確保する必要があります。

 

今回の記事は、懲戒処分のプロセスにおける「②懲戒処分の検討」「③就業規則における所定の手続き」についてでした。 


 

濵中 伸介(はまなかしんすけ)のイメージ

執筆者

社会保険労務士事務所オフィスアールワン 濵中 伸介(はまなかしんすけ)
入社9年目。三人の子供と、読売ジャイアンツと西武ライオンズをこよなく愛する39歳です。 新規契約のお客様の案件を担当することが多く、就業規則や人事評価制度の構築など、幅広く対応しています。最近では外部からセミナー講師のご依頼を頂くケースも増えてきました。 現在、フルマラソン参加を目標にトレーニング中です。

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