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悔やまれるエピソード・・・。障害厚生年金と傷病手当金の同時申請にはくれぐれもご注意を!

悔やまれるエピソード・・・。障害厚生年金と傷病手当金の同時申請にはくれぐれもご注意を! - 社会保険労務士事務所オフィスアールワン | 東京都千代田区

こんにちは。東京都千代田区の社会保険労務士事務所オフィスアールワンの笹沼(ささぬま)です。突然ですが、「黒糖焼酎」は奄美大島だけでしか作ることができず、他の地域で製造しても黒糖焼酎として販売できないとご存知でしたか?つまり全国の黒糖焼酎はすべて奄美大島の製造なのだそうです!(先日の奄美大島旅行で得た豆知識を披露させていただきました・・・)

さて、大きな病気やケガによって、日常生活に支障が出た場合や、会社を休業しなければならなくなった場合の公的な社会保障として「障害厚生年金」と「傷病手当金」があります。(いずれも会社の社会保険に加入していることが条件となります) 

 

【障害厚生年金】
・・・厚生年金に加入している期間中の病気やケガで、法令に定められた障害等級表に該当した場合に支給されます。

【傷病手当金】
・・・健康保険(国民健康保険は除きます)に加入している期間中の病気やケガで、仕事に就くことができなくなった状況が4日以上継続した場合に支給されます。

 

日常生活に支障が出た場合、また会社を休業して収入が途絶えてしまった場合、この2つの社会保障は、金銭面での大きな支えとなります。

ただし、障害厚生年金と傷病手当金の申請期間が重なっている場合には、その重複している期間について、それぞれ満額を受け取ることができなくなるということはご存知でしょうか?

 

障害厚生年金と傷病手当金の申請期間が重なる場合の支給金額は?

A 障害厚生年金より傷病手当金の金額の方が多い場合

傷病手当金の「日額」と、障害厚生年金の「年額を360で割った額」を比較して、傷病手当金の金額の方が多いときには、重複している期間において、その差額が傷病手当金の金額として支給されます。(減額されます)

▽例:傷病手当金日額6,000円 & 障害厚生年金額180万円▽

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B 障害厚生年金より傷病手当金の金額の方が少ない場合

傷病手当金の「日額」と、障害厚生年金の「年額を360で割った額」を比較して、障害厚生年金の金額の方が多ければ、重複している期間においては、傷病手当金は受け取ることができません。

▽例:傷病手当金日額4,000円 & 障害厚生年金額180万円▽

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これらは両方の制度から満額を受け取ることはできず、「高い方の金額を上限として支給する」という制度となっております。

ここで注意しなければいけないポイントは、障害厚生年金と傷病手当金の申請期間が重なっているにも関わらず、調整されないまま傷病手当金を受け取ってしまった場合、後日返金する必要があるということです。

 

「傷病手当金の返金通知が届いたけど・・・?」

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さて、これについては過去に私が担当した案件で、今思い出しても悔やまれるエピソードがあります。

お客様の会社において、難病指定の病気にかかって働けなくなってしまった従業員の方がいらっしゃり、「何か社会保障は無いでしょうか?」とのご相談でした。

社会保険に加入されていたので、まず傷病手当金のご案内をしました。そして、症状が悪化した場合には障害年金を受け取ることができる可能性があることと「傷病手当金を受け取っている時期と障害年金の認定が決まった日が重複している場合は、傷病手当金が調整されます」という注意点もお伝えしていました。

そして、ご退職された後に「無事、障害年金の認定もおりました。色々とありがとうございました」というご連絡をご本人からいただいたときは、私も本当に安心していました。

しかし、その数ヶ月後のことです。ご本人から「傷病手当金の返金通知が届いたんだけど、これは何?」というお電話をいただいたのです。

 

「返金しなければいけないなんて・・・!」

そのときに、私はハッとしました。「傷病手当金が調整されてしまう」ということは伝えていても、「先に受け取ってしまった傷病手当金の調整分は返金しなければならない」という一番重要な点を理解してお伝えできていなかったのです。

返金を求められている金額は、約100万円となっており、ご本人は「すでに調整された金額を受け取っていたと思っていた。一括で返金が求められるなんて聞いていない」と憤られていました。

それも当然のことです。働けなくなった状況で収入が制限され、また多額の治療費用がかかることが分かっていたにも関わらず、私は公的保障のお金の流れを十分に理解せず「手続の申請をしたこと」だけで役割を果たした気になっていたのです。お客様の立場に寄り添えていなかったことを深く痛感しました。

 

働けなくなった場合の公的保障は制度が複雑ですし、また何度も経験するわけではありません。そのためにはプロとして、私たちがご本人に的確なアドバイスをしなければいけません。

今後同じようなことを起こさないために、法律や制度を理解することはもちろんですが「実際のお金の動きはどのようになるのか、またもしも自分がそのご本人の立場だったら何が大切なことか」を常に意識するようになりました。今も心に残る、苦い経験です。

 

笹沼 瞬(ささぬましゅん)のイメージ

執筆者

社会保険労務士事務所オフィスアールワン 笹沼 瞬(ささぬましゅん)
生命保険会社の営業職から転じて、入社6年目を迎えます。担当クライアントの多くが社員100名以上の規模の会社様ということもあり、法改正の情報は特に早めにキャッチアップすることを心がけています。得意な分野の助成金・補助金申請はずいぶんと経験値が増えてきました。 和柄のTシャツと豆腐に目がなく、自宅の冷蔵庫には常に豆腐が入ってます。

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