アールワン日誌 Blog

ある年のお正月明け、次から次へと事務所に人が。

2015/01/10

ある年のお正月明け、次から次へと事務所に人が。 - 社会保険労務士法人アールワン | 東京都千代田区

こんにちは。社会保険労務士法人アールワンの高澤(たかさわ)です。年末に事務所スタッフからオススメされた漫画をえぃっ!と大人買いし、はまっています。

年末に1年を振り返ってみると、年初には予想もできなかったことばかりで、さて今年はどんなことを経験できるのかとわくわくします。

毎年、今年は激動の年、変化の年、と言われていますが、何事も無く平穏な年というものがそもそもあるのか?などと思っていたら、またまた昔の思い出が蘇ってきました・・・。

 

お正月明けの朝から、多くの来客が。

私の事務所がまだ神楽坂にあった、数年前のこと。お正月休みが明けた新年4日の朝から、次から次へと事務所に人が訪れてくるのです。いったい何ごとか・・・?

その方たちは皆さん、お客さまである食品卸の会社の従業員の方たちでした。

その方たちの話を聞いてわかったことは・・・

「その食品卸の会社が年末に倒産したこと」
「その際に社長が『失業保険の手続きはたかさわさんのところでやってもらって、住所と電話番号はこれ。以上』とのこと」
「それっきり連絡が取れなくなってしまったとのこと」

ということです。

年末に突然仕事が無くなり、世間的にはのどかなはずのお正月休み。でも、この数日間、ご本人もご家族も、今後の不安でたまらない気持ちで過ごされたであったかと思うと・・・。スタッフたちも、再優先で対応しようということで、全速力で離職票の作成を進めてくれました。

このような状況に至るまで、社長にもいろいろなことがあったのだと思います。そういえば、アポイントを取って打ち合わせに行っても、今忙しい、後にしてくれ、と声を荒らげられたことも。常にイライラとした空気を身にまとわれていた姿が浮かんできました。

 

そして2年後のある日。

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その倒産から2年ほどたった、ある日のことです。突然、その社長からお電話を頂きました。

驚いたのは、お電話をいただいたことよりも、別人のような軽やかな声でした。

「今、温泉地で運転手の仕事をしている。会社をやっていた時は、毎日が資金繰りのことばかりでいっときも気持ちが休まることがなかったが、今は本当に穏やかな毎日を過ごしている。たくさんの人に迷惑をかけてしまったことは申し訳ないけど・・・」

どのようなことが過去にあったとしても、いま心が穏やかでいられるということ。それは得がたい幸せを手に入れられたのだと思い、こちらも嬉しくなったことが思い出されます。

 

それでも、縁あって顧問契約をいただいておりながら、会社の厳しい現実を共有できずに、倒産という結果になってしまったことは、やはり残念としか言えません。その当時の私は、社長から見たら、「どうせこいつに言ってもどうにもなるものでもない」という雰囲気を漂わせていたのでしょう。その自分の至らなさも、今になってわかります。

会社という土俵があることで成り立っている、多くの生活や人生があるのだということを考えます。お客さまの経営を支えて、会社が継続していくための黒子としてお役に立って行きたいと、改めて思い返したお正月でした。

企業の経営者・担当者さま

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高澤 留美子(たかさわるみこ)のイメージ

執筆者

社会保険労務士法人アールワン 高澤 留美子(たかさわるみこ)
社会保険労務士事務所を開設して、歳月がたちました。最初の事務所は自宅の子ども部屋でした。お客様と本音でつながっている「パートナー」になれるよう、日々研鑽しています。モットーは「人間万事塞翁が馬」です。