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万が一のときに、「災害補償規程」はあなたの会社をまもってくれるでしょうか?

万が一のときに、「災害補償規程」はあなたの会社をまもってくれるでしょうか? - 社会保険労務士事務所オフィスアールワン | 東京都千代田区

こんにちは。社会保険労務士事務所オフィスアールワンの濵中(はまなか)です。最近はフルマラソン参加を目標に、毎週末のトレーニングに励んでいます!

会社の従業員が怪我をするなどの、労災事故が発生した場合、その原因によっては、本人または遺族からの訴えにより会社の安全配慮義務違反が認められることがあります。そうなると、会社は損害賠償責任を負うことになります。

そのような事態に備え、民間保険による上乗せ補償を行っているという会社は少なくありません。しかし、せっかく備えをしていても、就業規則における「災害補償規程」の定め方によって、民間保険ではカバーできない高額な賠償金が発生してしまう、というケースがあることはあまり知られていないようです。

今回は、災害補償規程の重要性と注意すべきポイントをお伝えします。

 

注意ポイント① 傷害保険金を損害賠償金に当てられるか?

会社が加入していた民間の傷害保険から保険金が支払われた場合、当然、その保険金を損害賠償金に当てようと会社は考えるはずです。しかし、そのためには災害補償規程に、次のように定めておく必要があります。

本規程に定める補償を行った場合、同一の事由については、その価額の限度において民法による損害賠償の責任を免れる。

ただし、これは傷害保険の場合です。全従業員を対象とした「総合福祉団体保険」や「養老保険」といった生命保険は、規定の有無に関わらず対象外となることに注意してください。これらは、その保険料が福利厚生費として損金算入されているように、従業員に対する福利厚生制度となります。そのため、支払われる保険金も、本人や遺族に対する賠償金に当てることはできません。

 

注意ポイント② 他からも同じ事由で保険金を受け取れるか?

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これについては、下記のようなケースを例にして説明いたします。

建設業の「下請」会社が従業員の死亡時に1,000万円の補償をすることを規定して、それに合わせて死亡保険金1,000万円の傷害保険に加入しているとします。

しかし、「元請」会社でも下請従業員までを対象とした傷害保険に加入をしており、そちらから500万円の保険金を受けることができます。

このような場合に下請会社の立場ですと、規程で定める死亡時の補償1,000万円のうち、他から500万円の補償を受けられるため、自社で加入している傷害保険からは500万円の保険金しか受けられないという可能性が出てきます。

このようなことを防ぐためには、やはり災害補償規程に次のように明文化しておく必要があります。

死亡時の補償について、他からの同一の事由について給付を受けることができる場合、その金額については1,000万円に別途上乗せする。

 

以上となります。災害補償の規定は就業規則の本則に簡単に規定されているだけ、という会社が多いようですが、あなたの会社ではどうでしょうか?

業務上発生した疾病の原因には、会社の安全配慮義務違反があることがほとんどです。訴訟となれば、会社側の「過失割合」が10割からスタートして、会社が行っていた対策次第で過失割合を減らしていく、という判断がなされます。会社側には大変不利なものといえます。

労災事故は起きる可能性が低いと考えられていますが、万が一のケースだからこそ、それが起きてしまった場合の会社のダメージは小さくありません。特に、会社が上乗せ補償を行っている場合には、ぜひ上記の内容を踏まえて作成してください。

 

濵中 伸介(はまなかしんすけ)のイメージ

執筆者

社会保険労務士事務所オフィスアールワン 濵中 伸介(はまなかしんすけ)
入社9年目。三人の子供と、読売ジャイアンツと西武ライオンズをこよなく愛する39歳です。 新規契約のお客様の案件を担当することが多く、就業規則や人事評価制度の構築など、幅広く対応しています。最近では外部からセミナー講師のご依頼を頂くケースも増えてきました。 現在、フルマラソン参加を目標にトレーニング中です。

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