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出生後休業支援給付金の経過措置の判定と申請の注意点

2025/06/01

出生後休業支援給付金の経過措置の判定と申請の注意点 - 社会保険労務士法人アールワン | 東京都千代田区

こんにちは。東京都の社会保険労務士法人アールワンの大塚(おおつか)です。最近よもぎ餅を食べました。お餅がやわらかくよもぎの風味がさわやかで、とても美味しかったです。

2025年4月より、出生後休業支援給付金が創設されました。経過措置として「2025年4月1日より前から引き続いて育児休業をしている場合」でも、出生後休業支援給付金の対象になる場合があります。

今回は、経過措置対象者の判定手順と申請時の注意点についてお伝えします。

 

企業の経営者・担当者さま

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経過措置対象者の判定手順

手順①:出生後休業支援給付金の対象期間に通算14日以上の育児休業を取得しているか

経過措置対象者における出生後休業支援給付金の対象期間は以下の通りです。

【被保険者が父親の場合】
「2025年4月1日」から「子の出生日または出産予定日のうち遅い日から起算して8週間を経過する日の翌日」までの期間
【被保険者が母親の場合】
「2025年4月1日」から「子の出生日または出産予定日のうち遅い日から起算して16週間を経過する日の翌日」までの期間

被保険者が母親の場合の例
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Aさん、Bさんとも2025年4月30日まで育休を取得

Aさんの場合は対象期間である「2025年4月1日~4月17日」の間に14日以上育児休業を取得しているため、手順②へ進みます。

Bさんは「16週経過する日の翌日」が2025年4月11日であるため、「2025年4月1日~4月11日」の間に育休14日のカウントをとることができず、受給対象外となります。

 

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手順②:配偶者の要件を満たしているか

受給対象者となるには、被保険者の配偶者が以下の(1)または(2)の状態であることが必要です。

(1)「子の出生日または出産予定日のうち早い日」から「子の出生日または出産予定日のうち遅い日から起算して8週間を経過する日の翌日」までの期間に通算して14日以上育児休業を取得したこと
(2)子の出生日の翌日において「配偶者の育児休業を要件としない場合」に該当していること

被保険者が母親の場合の例

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Aさんの配偶者(会社員)・・・2024年12月26日~2024年1月15日まで育休取得
Cさんの配偶者(会社員)・・・2025年4月1日~2025年4月20日まで育休取得

Aさんの配偶者は、(1)の期間に14日以上育児休業を取得しているため、Aさんは出生後休業支援給付金の受給対象者となります。(Aさんの配偶者は、出生後休業支援給付金の受給対象者とはなりません。)

Cさんの配偶者は、育児休業取得時期が(1)の期間から外れており、(2)の状態にも該当しないため、Cさんは出生後休業支援給付金の受給対象者となりません。

よって、手順①および手順②の要件を満たしたAさんは出生後休業支援給付金を受給することができます。

 

経過措置対象者の申請時の注意点

経過措置対象者で、例えば出生後休業支援給付金の対象期間が「4月1日~4月28日(最大)」である場合、「申請期間が2025年4月28日を含む育児休業給付金」の支給決定がされた後でないと出生後休業支援給付金の申請ができないので注意が必要です。

2025年4月から始まった出生後休業支援給付金ですが、経過措置で混乱する部分が多くあるかと思われます。経過措置対象者にも漏れなく給付金申請を行えるよう、しっかりと整理しておきましょう。

 

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大塚 菜津実(おおつかなつみ)のイメージ

執筆者

社会保険労務士法人アールワン 大塚 菜津実(おおつかなつみ)
信用金庫に約10年勤めたのち、社会保険労務士を目指してアールワンに入社しました。お客様の様々なお悩みに迅速に対応するため、幅広い知識の吸収と実務対応に奮闘中です。常に相手の立場で物事を考え、解決策をわかりやすくお伝えすることを心がけます。学生時代はテニス部に所属。動物が好きで、休日は動物園や牧場、水族館をよく訪れています。