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最低賃金、過去最高の引き上げ幅!会社の賃金制度見直しのタイミングかも?

2025/09/15

最低賃金、過去最高の引き上げ幅!会社の賃金制度見直しのタイミングかも? - 社会保険労務士法人アールワン | 東京都千代田区

こんにちは。東京都の社会保険労務士法人アールワンの佐々木(ささき)です。先日、東松山へワインディングロードを楽しむため、ドライブへ出かけました。道中に、無添加の草餅との出会いに思わず笑みがこぼれました。一方で、ガソリン代の高騰や物価上昇が気になる今日この頃です。

そんな中、最低賃金が過去最高額に引き上げられ、新聞、テレビなどで大きく取り上げられています。2030年までには全国平均1,500円という政府目標に向けて、その動きは加速しています。

今回は、2025年度の最低賃金引き上げの見通しと、「賃金制度の見直し」についてお伝えします。

 

企業の経営者・担当者さま

「もっと詳しく知りたい」「今この件で困っている」そのようなときには、こちらよりご連絡ください。

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2025年度の最低賃金引き上げの概要

全国平均で63円の引上げ、1,118円となり、以下の3ランクに分けられました。

・Aランク:63円(東京、大阪など6都府県)
・Bランク:63円(北海道、福岡など28道府県)
・Cランク:64円(岩手、沖縄など13県)

また、東京都は現在の1,163円から1,226円へ引き上げられました。これを月給換算すると、約1万円強の影響が出てきます。

今回の最低賃金の引上げは、引上げ額、率ともに過去最高である今こそ、「自社の賃金体系をどう適応させるか」を必要に応じて、見直していく必要があるのではないでしょうか。

 

まず、今回の最低賃金の引き上げによって、どのような影響があるのかをお伝えします。

①人件費の増加
最低賃金の引上げは、直接的な人件費の増加につながります。特に、アルバイトやパートタイマーの割合が高い業種(小売り・飲食・サービス業など)では、その影響が大きくなります。

②賃金格差の是正
最低賃金が上がることで、正社員と非正規社員の賃金格差が縮小する可能性があります。その分、正社員のモチベーション管理が重要になるでしょう。

③採用・定着率への影響
最低賃金が上がることで、求職者にとっては「働きやすい企業」と感じられる可能性があります。一方で、他社との競争が激化するため、魅力的な賃金制度や福利厚生が求められます。

このように、様々な影響が考えられますが、例えば②に示したように、最低賃金に近い給与で働く従業員と、それ以上の賃金で働く従業員との間で、賃金格差が縮小する可能性があります。これにより、経験やスキルをもつ従業員の給与が相対的に「低く見える」状況が生まれ、不満やモチベーションの低下に繋がるリスクがりあます。

だからこそ、賃金制度の全体的な給与水準を見直す必要があるのではないでしょうか。そこで、見直す際のポイントを以下に詳しく説明します。

 

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現状の把握
まずは、自社の賃金水準が最低賃金を上回っているかどうかを確認しましょう。最低賃金ギリギリの場合は、今後のさらなる引上げに備える必要があります。

②シミュレーションを行う
最低賃金の引上げが、自社の人件費にどの程度の影響を与えるかをシミュレーションしましょう。例えば、アルバイトやパートタイマーの割合が高い場合は、その分のコスト増を見込む必要があります。

賃金体系の再設計
単に時給を上げるだけでなく、賃金体系全体を見直すことをおすすめします。例えば、以下のようなポイントを検討してみてはいかがでしょうか?

・基本給の見直し:最低賃金引上げに合わせて、基本給を調整する。
・評価制度の導入:従業員の能力や成果に応じた賃金体系を導入する。
・福利厚生の充実:賃金以外の面で従業員の満足度を高める。

④従業員とのコミュニケーションを強化
賃金制度の見直しを行った際は、従業員との対話が欠かせません。なぜ賃金を上げるのか、どのような評価基準で賃金が決まるのかをしっかりと説明し、従業員の理解と納得を得ることが重要です。そして、会社のビジョンや将来像を従業員と共有し、「一緒に成長していく」というメッセージを伝えることが大切です。賃金制度の見直しは、単なるコストアップではなく、従業員と会社の信頼関係を築くチャンスでもあります。

 

2025年度の最低賃金引上げは、企業にとっては大きな変化と同時に大きなチャンスでもあります。この機会を活用して、賃金制度や従業員との関係を見直すことで、より強い組織づくりを目指しましょう。

アールワンでは、賃金制度の見直しや従業員満足度向上のためのサポートを行っています。今回の最低賃金引上げを機に、ぜひお気軽にご相談ください!

 

企業の経営者・担当者さま

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佐々木 真美(ささきまみ)のイメージ

執筆者

社会保険労務士法人アールワン 佐々木 真美(ささきまみ)
以前は旅行会社に勤務してりました。主に従業員100名前後の顧問先様を担当しており、お客様の様々なトラブルやお悩みに誠実に対応する事を心がけています。 カフェ巡りや自然が好きなので、休日はドライブを楽しんでいます。