アールワン日誌 Blog

就活・求職者セクハラ防止のために企業が備えるべきこととは。

2025/11/01

就活・求職者セクハラ防止のために企業が備えるべきこととは。 - 社会保険労務士法人アールワン | 東京都千代田区

こんにちは。東京都の社会保険労務士法人アールワンの笹沼(ささぬま)です。先日、軽井沢に行ってきましたが、インバウンドの観光客が多かったです。また、働いている方も海外の方が多く、英語でのやり取りが見受けられました。英語が話せるとコミュニケーションの幅が広がるので、英語の勉強が必要だと感じた国内旅行でした。

従来、職場内のセクシュアルハラスメント(セクハラ)は、採用後・就業中の言動が中心に議論されてきましたが、最近では職場内だけでなく、「面接・採用選考段階」における性的な言動・不適切な質問・配慮欠如が問題視されています。改正された労働施策総合推進法等では、求職者等に対するセクハラ(以下、就活セクハラ)防止措置を企業の雇用管理上の義務とする方向が示されています。

そこで、今回は、就活セクハラについて、企業が備えておくべき対応をお伝えします。

 

企業の経営者・担当者さま

「もっと詳しく知りたい」「今この件で困っている」そのようなときには、こちらよりご連絡ください。

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企業が取るべき実務対応と注意ポイント

今後、企業は以下の対応が求められてきます。

①事業主の方針等の明確化

OB・OG訪問等の機会を含め、その雇用する労働者が求職者と接触するあらゆる機会について、実情に応じて、面談等を行う際のルールをあらかじめ定めておくことや、求職者の相談に応じられる窓口を求職者に周知すること
⇒ハラスメント相談窓口を設けている会社が多いかと思いますが、採用担当をしている人事が窓口になっている場合、別の担当窓口を設ける必要があります。

②セクシュアルハラスメントが発生した場合

被害者である求職者への配慮として、事案の内容や状況に応じて、被害者の心情に十分に配慮しつつ、行為者の謝罪を行うことや、相談対応等を行うこと
⇒求職者に対し、採用のwebサイト等で相談窓口を周知する、面接時に通知する等が求められてきます。

また、面接官・人事担当者に対して「就活セクハラ」の意識を高める研修・啓発を行うことが望まれます。「結婚・出産・育児の予定」「交際状況」「女性・男性らしさ・身だしなみ」など、就業と直接関係のない事項を面接時に尋ねない、など、採用・面接時の質問・言動を確認する必要があります。

 

採用段階の対応工夫

「面接官用チェックリスト」を作成しておくことをお勧めします。例えば「質問内容の事前チェック」「面接時間の固定」「複数面接官体制」「面接後の振り返り」などです。

さらに、応募者からのハラスメント・クレームを防ぐために、面接現場の録音・録画(プライバシー対応を含む)や面接者へのアンケート実施も検討できます。加えて、採用段階でハラスメント防止を明文化(例えば応募要項・ホームページに「当社は就活セクハラを禁止しています」と記載)しておくと、企業姿勢のアピールにもなります。

 

採用・面接段階におけるハラスメント対応は、採用活動の信頼・企業ブランド・内部風土に直結するテーマです。求職者も「自分を尊重してくれる会社か」を見ています。

企業としては、面接官・人事担当者の意識改革から始め、就活セクハラ防止体制を整えておくことが重要です。制度整備だけでなく、実際に「面接現場で安心して働ける環境か」を見直してみましょう。お困りの際は、ぜひアールワンにご相談ください。

 

企業の経営者・担当者さま

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笹沼 瞬(ささぬましゅん)のイメージ

執筆者

社会保険労務士法人アールワン 笹沼 瞬(ささぬましゅん)
生命保険会社の営業職から転じて、入社14年目のベテランとなってきました。担当クライアントの多くが社員100名以上の規模の会社様ということもあり、法改正の情報は特に早めにキャッチアップすることを心がけています。得意な分野の助成金・補助金申請はずいぶんと経験値が増えてきました。趣味でテニス(最近はインドアが多いです)をやっていますので、テニスやられる方はぜひお声かけください。好きな食べ物は豆腐です。