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「まさか、育児休業でトラブルになるなんて・・・」という3つのケース。

「まさか、育児休業でトラブルになるなんて・・・」という3つのケース。 - 社会保険労務士事務所オフィスアールワン | 東京都千代田区

こんにちは。社会保険労務士事務所オフィスアールワンの高澤(たかさわ)です。

近年、育児休業制度の利用は広がりつつありますが、「育児休業取得をめぐって、会社と従業員がトラブルに発展するケース」があることはご存知でしょうか?

制度自体が浸透してきたことにより、全体としては減少傾向ではありますが、それでも平成25年度における、労働局への育児休業に関する相談件数は1万件以上となっています。

育児休業をめぐるトラブルには、いったいどういうケースがあるのでしょうか?実際の事例を通して、会社側が注意すべき事項についてお伝えしていきます。

 

そもそも育児休業制度とは。

念のため、育児休業制度のおさらいをさせていただきます。(すでにご存知の方は、読み飛ばしていただいてかまいません)

育児休業制度とは、1歳未満の子を養育する従業員が育児のために休業できる制度です。

期間は、原則子が1歳に達するまでですが、保育園に入園できない等の事情がある場合に限り、1歳半まで延長をすることができます。 ただし、すべての従業員に育児休業を与えなければならないわけではなく、「法令で除外されている者」、「労使協定を結んでいれば除外できる者」は対象外とされています。

 

▽▽育児休業の対象外となる人▽▽

(1) 法令により除外できる者

①日々雇用される者(※「日雇い労働者」など)

②以下のいずれかに該当する、期間の定めのある雇用契約者(※「契約社員」など)

・入社1年未満の者

・子が1歳に達する日を超えて雇用される見込みのない者

・子が1歳に達する日から1年を経過する日までに、雇用契約が満了し、更新されないことが明らかな者

(2)労使協定を結んでいれば除外できる者

①入社1年未満の者

②申出の日から1年以内に雇用関係が終了することが明らかな者

③1週間の所定労働日数が2日以下の者

 

以上が育児休業制度の簡単なおさらいとなりますが、それでは、具体的にどのようなトラブルが発生してしまうのでしょうか?以下、3つの事例を見ていきます。

 

トラブル事例#1「パート従業員の場合」

<事例>

週3日でパート勤務をしているA子さんが妊娠をした。A子さんは5年も勤務しているパート従業員だが、これまでパートで育児休業を取った従業員の前例がないため、「パートだから育児休業は取得できない」と会社が伝えたところ、「育児休業を取得できないのはおかしい」とA子さんが主張。

育児休業は、正社員・パートなどの雇用形態を問わず、取得することができます。A子さんは5年以上勤務しており、契約期間の定めもないため、労使協定でも対象者から除外されていません。よって、A子さんの育児休業の申し出を拒むことはできません。

 

トラブル事例#2「申し出がない場合」

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<事例>

正社員のB子さんが出産し、そろそろ産休終了の時期が迫ってきた。会社では、育児休業を取得する人が大半のため、B子さんも育児休業をするものと思い、「産休後も会社を休むように」と伝えたところ、後日になってB子さんから休業手当を請求されてしまった。

育児休業は、あくまで本人の申し出により取得するものであり、会社が強制的に取得させることはできません。もし、強制的に休ませてしまうと、会社都合の休業となり、休業手当の支払義務が発生します。

 

トラブル事例#3「入社1年未満の場合」

<事例>

3ヶ月前に正社員として入社したC子さんには生後6ヶ月の子どもがいる。当初は育休の取得予定が無かったため採用したが、その後に「事情により、子どもが1歳になるまで育児休業をしたい」と言ってきた。会社としてはC子さんに休まれると困る旨を伝えたが、「取得できないのであれば、労使協定を見せてほしい」とC子さんに言われた。しかし、そのようなものは会社になかった。

入社1年未満の従業員を育児休業の取得対象者から除外するには、労使協定が必要です。労使協定がない場合には、入社1年未満であっても育児休業を取得させなければなりません。

※また、労使協定があり、入社1年未満の者を除外していたとしても、この「1年未満」とはあくまで「育児休業申出時点」においてとなりますので注意が必要です。

 

育児休業関連のトラブルを防ぐためには。

妊産婦や育児を行う者については、法律により様々な権利が認められており、会社としては法律で定められていることに反することはできません。

しかし、前述の事例#3のような例は、労使協定を結んでいないという、会社の対策不足によるものといえます。また、妊娠・出産・育児休業等を取得したことを理由に、不利益な取り扱いをすることは「男女雇用機会均等法(第9条)」により禁止されていますので、復帰後の雇用形態変更などについても、慎重に対応をする必要があります。

育児休業関連のトラブルは、会社側が育児休業制度を正しく理解していないことに起因している場合がほとんどです。出産・育児は非常に大切なイベントだからこそ、そこで対応を誤って従業員との信頼関係を崩すことがないようにしたいですね。
 

まとめ
今回のトピックについて、会社が取り組むべきこと

育休の「対象」「対象外」の条件を把握しましょう

育休の取得を従業員に強制しないように

労使協定は結んでいますか?

 

代表 高澤 留美子(たかさわるみこ)のイメージ

執筆者

社会保険労務士事務所オフィスアールワン 代表 高澤 留美子(たかさわるみこ)
社会保険労務士事務所を開設して、はや20年。最初の事務所は自宅の 子ども部屋でした。 現在ご契約いただいている約130社のお客様にとって真の「パートナー」となれるよう、スタッフたちと日々汗をかいています。 私たちの強みは「労務相談」と「給付請求」。モットーは「人間万事塞翁が馬」です。

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