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2020年以降に予定される「働き方改革」にかかわる法改正の内容をまとめました。

2020年以降に予定される「働き方改革」にかかわる法改正の内容をまとめました。 - 社会保険労務士事務所オフィスアールワン | 東京都千代田区

こんにちは。東京都の社会保険労務士事務所オフィスアールワンの高澤(たかさわ)です。先日、お客様からお勧めいただいた本を2冊読みましたが、いずれも人間心理をテーマとしたもので「へえ~!」と言うような新しい発見の連続でした。よい本と出会えると、幸せな気分になれますね。

昨年2017年は「働き方改革」という言葉があらゆる場面で聞かれました。しかし、法律改正をともなう具体的な内容より、単に「場所や時間にとらわれない多様な働き方」といったぼんやりとしたイメージだけが先行していたようにも思えます。そこで今回は、働き方改革にかかわる法律改正案の実体をお伝えいたします。

※今回紹介する改正の施行日は当初2019年4月が予定されておりましたが、国会での審議が進んでいないことから1年延期する方向となっております。(2018年1月現在)

 

「長時間労働の是正」「多様で柔軟な働き方の実現」について

①労働時間に関する制度の見直し(労働基準法の改正)

時間外労働の上限について「月45時間・年360時間」を原則とし、臨時的・特別な事情があるという場合でも「年720時間・単月100時間(休日労働含む)・複数月(2〜6ヶ月)平均80時間(休日労働含む)」が限度となります。
※自動車運転業務、建設事業、医師、研究開発業務など、一部の業種・業務においては猶予期間があったり、条件つきで上限規制が適用されないというケースがあります。

□2010年からすでに大企業には適用されていた「月60時間を超える時間外労働における割増賃金率《50%以上》」について、中小企業への猶予措置が廃止され、すべての企業が対象となります。また、10日以上の年次有給休暇が付与されるすべての労働者に対して、会社はそのうち「5日」について毎年時季を指定して与えなければならないことになります。

□裁量労働制が認められる「企画業務型」の対象業務に「課題解決型の開発提案業務」と「裁量的にPDCAを回す業務」が新たに追加されます。

▽「裁量労働制」の参考記事はこちら▽

 

②勤務間インターバル制度の普及促進等(労働時間等設定改善法)
勤務間インターバルとは、前日の終業時刻と翌日の始業時刻の間に一定時間の休息の確保に努めなければならない、という制度です。これを普及させるために、助成金の活用や好事例の周知が今後予定されています。

▽「勤務間インターバル制度」の参考記事はこちら▽

 

③産業医・産業保健機能の強化(労働安全衛生法等)
事業者から、産業医に対してその業務を適切に行うために必要な情報を提供することとするなど、産業医・産業保健機能の強化を図る取り組みです。今後、企業における産業医の重要性がさらに増していきます。

 

「雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保」について

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①  不合理な待遇差を解消するための規定の整備(パートタイム労働法、労働契約法、労働者派遣法)
非正規労働者において、その雇用形態だけを理由として、正規雇用者との不合理な待遇の差を禁止するものです。いわゆる「同一労働同一賃金」と呼ばれるものです。

 

②  労働者に対する待遇に関する説明義務の強化(パートタイム労働法、労働契約法、労働者派遣法)
非正規労働者において、正規雇用労働者との待遇の違いについてその内容や理由などに関する企業の説明が義務化されます。

 

③  行政による履行確保措置及び裁判外紛争解決手続(行政ADR)の整備
①や②について労使間で争いがある場合に、仲裁・調停・あっせんで解決を図るための手続きの整備が予定されています。

 

今後予定される法改正の概要を簡単にまとめましたが、このなかでもどのトピックが自社にとって重要であるかは会社によって異なるところでしょう。自社への影響が強いと考えられるものについては、今後も法改正の進捗や内容を継続的に見ていくことをお奨めします。

また、行政が進める「働き方改革」以上に、企業経営にとっていま緊急性が高いのは個人の生産性向上ではないでしょうか。今後、AI技術によって人間でなければできないことの領域が急激に狭くなっていくことは間違いありません。個人と企業が生き残っていくためには、すでに習慣化されている仕事のやり方を見直し、かけた時間とその成果(生産性)を管理することは必須だと思われます。企業経営にとっては非常にシビアな今回の法改正も、その取り組みに具体的に着手するきっかけと捉えてみてはいかがでしょうか。

 

代表 高澤 留美子(たかさわるみこ)のイメージ

執筆者

社会保険労務士事務所オフィスアールワン 代表 高澤 留美子(たかさわるみこ)
社会保険労務士事務所を開設して、はや20年。最初の事務所は自宅の 子ども部屋でした。 現在ご契約いただいている約130社のお客様にとって真の「パートナー」となれるよう、スタッフたちと日々奮闘しています。 私たちの強みは「労務相談」と「給付請求」。モットーは「人間万事塞翁が馬」です。

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