アールワン日誌 Blog

就業規則を作成したとき、私たちは社内での説明会の実施を強くお奨めしています。

就業規則を作成したとき、私たちは社内での説明会の実施を強くお奨めしています。 - 社会保険労務士法人アールワン | 東京都千代田区

こんにちは。東京都の社会保険労務士法人アールワンの高澤(たかさわ)です。この4月から私たちの事務所を法人化しましたが、さっそく2つの驚きがありました。ひとつは多くのお客様からお祝いのお花を頂戴するという、うれしい驚きです。そして、法人化によって社労士会の会費があがったのですが、その金額にも驚かされました・・・。

現在、弊社がお客様から就業規則の新規作成のご依頼をいただくと、完成時には原則として従業員の方たちへの説明会を実施していただくことにしています。ところが、会社によっては「説明会自体がいらぬトラブルのもとになるのでは・・・」と躊躇されるケースも少なくありません。

しかし、私たちは就業規則の説明会は会社にとってのプラスが大きいものであると考えています。そこで今回は、数年ほど前にあるクリニック様から就業規則作成のご依頼をいただいたときのエピソードをご紹介します。

 

人事労務に過敏になってしまう会社

当時そのクリニックのスタッフの方は8名でしたので、労基法による就業規則作成および監督署への届出の義務はありませんでした(義務となるのは従業員10名からです)。しかし「これから人数も増える予定だから、今のうちに作っておきたい」とのご依頼でした。

規則の作成までの流れは《①現状のヒアリング→②規則案や必要な協定の初版を作成→③何回か打ち合わせして最終版》となっています。その打ち合わせを重ねるなかで私が強く感じたのが、経営側が必要以上に働く人たちの反応に過敏になっているということでした。例えばですが「契約社員の◯◯が自分の有給休暇の日数を教えてほしいって言ってきたんですよ。普通そんなこと聞けませんよね」などと、従業員からのいたって常識的な確認に対しても、あたかも過大な要求を突きつけられたような反応が見え隠れしていたのです。

さて、せっかくお金と時間をかけて就業規則を作成しても、経営側や従業員側には依然としてすっきりしないものが残る、というのは大変もったいないことです。そこで私は、規則が完成したときに「従業員の方向けに、新しく作成した就業規則の説明会をやりませんか」というご提案をしてみました。

 

従業員が疑問を抱えたまま働く、というリスク

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説明会といっても、一方的に会社が伝えたいことだけを伝える、という内容ではありません。

まず説明会の事前にスタッフの皆さんには規則の内容を見てもらい、質問事項を質問シートにあげてもらいます。それをいったん回収して、質問への回答を用意しておき、説明会ではその質問と回答を発表するという内容で進行する旨をお伝えしました。

当然のことですが、経営者のかたは当初「どんな質問があがってくるかわからない」「今できないことを要求されたら困る」等々の懸念から説明会には躊躇されました。しかし、私はそれまでの経験から、

・ほとんどの労務トラブルの原因は、従業員が疑問を抱えたまま働いたことでうまれた疑念や不信感であること
・仮に今は法律どおりにできないことがあっても、今後の対応について考えを伝えておくことが働く側の安心につながること

というポイントをお伝えし、説明会を行っていただくこととなりました。

 

「できないことはできない、と言ってほしい」

さて、説明会の事前に従業員の皆さんからあがってきたご質問を見渡しても「もの申す!」というような感情的なものは一切なく「前からここが気になってます」「ここがわかりません」というような内容でした。当日は、それらの質問に法律面での回答と経営側のお考えの両方をお伝えし、問題無く説明会は終了しました。

その説明会が終了した後のことです。それぞれが帰り支度を始める中、従業員のお一人の方が何かを言いたそうに私のところに来られました。その際に言われたことが、それから何年経っても私のこころに印象深く残っています。

「私たちは、すべて法律どおりにしてほしいと思っているわけではないんです。経営の事情もあることはわかりますから、むしろ今できないことはできないとはっきり言ってもらってかまわないんです。私たちがわからないことや疑問に思っていることに、ただ答えてほしいだけです」

 

もちろん、私たちがこれまで参加した説明会のなかには、質問というよりも「ここでひとこと会社に言ってやりたい」というような内容のものもありました。しかし、そのようなときでさえも「こういう場があればと思っていました」「すっきりしました」と従業員の方からは前向きなお言葉をいただくことのほうがはるかに多いのです。疑問が晴れて、すっきりした気持ちで業務に取り組んでいかれることは、会社にとってプラスに違いありません。

法律的にいえば、説明会などによって就業規則を社内に周知していたかどうかが、労務トラブルが起きた時の会社のリスクを大きく左右することは広く知られています。しかし、そのような「何か起きたときの安全策」という目的のためだけに行うようなものではない、ということを私たちはお伝えするようにしています。

 

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代表 高澤 留美子(たかさわるみこ)のイメージ

執筆者

社会保険労務士法人アールワン 代表 高澤 留美子(たかさわるみこ)
社会保険労務士事務所を開設して、はや22年。最初の事務所は自宅の子ども部屋でした。現在ご契約いただいている約130社のお客様にとって本音でつながっている「パートナー」となれるよう、スタッフたちと日々奮闘しています。モットーは「人間万事塞翁が馬」です。

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