労働基準監督署の調査って何するの?社長や人事担当者が知っておきたい基本
2025/08/15

こんにちは。東京都の社会保険労務士法人アールワンの赤井(あかい)です。今年の春より、マシーンピラティス教室に通い始めました。教室に行く期間が空いてしまうと肩こりがひどくなるので、日常的に体を動かすことは大切なのだと改めて思いました。
「労働基準監督署の調査」と聞くと、「何か良くないことをしてしまったかな・・・?」と、不安になる社長や人事担当者の方も少なくありません。しかし実際は、労働基準監督署の調査は、違反を見つけに来るというより、会社の労務管理が法令に沿っているかを確認するためのものです。その為、必要以上に身構えずに、落ち着いて対応すれば問題ありません。
そこで今回は、労働基準監督署の調査の基本についてお伝えします。
労働基準監督署の調査は、どんな調査があるの?
労働基準監督署の調査は、主に2種類あります。
① 定期調査
定期調査は 労働基準監督署が年間計画に基づいて行う調査です。この調査は予め対象の会社がピックアップされているため、会社に問題がなくても、調査に当たることがあります。
② 申告調査
従業員の方からの法令違反等の申告をきっかけに行われる調査です。申告内容としては、労働時間や賃金、ハラスメントなどが多いです。
調査に当たった時に提出を求められる書類とは?
調査時には、以下の資料を中心に提出を求められます。
*会社案内や組織図
*就業規則
*労働条件通知書
*出勤簿、タイムカード
*賃金台帳
*36協定
*定期健康診断の結果
*年次有給休暇管理簿 等
加えて、社内の実態確認のために、担当者や従業員へのヒアリングが行われることもあります。
また調査では以下の事項がよく見られます。
・残業時間の上限は守られているか?
→36協定の上限時間と実際の勤怠を確認されます。
・有給休暇はきちんと付与、取得されているか?
→有給休暇の年5日取得義務は100%確認されます。
・会社が把握している勤怠時間は、PCのログと乖離はないか?
・時間外、休日割増賃金は法律に則って計算されているか?
・健康診断の実施と事後対応は適切に行われているか?
また最近は、従業員代表の選出方法について確認される傾向があります。特に上記の項目を日頃から整えておくことで、いざというときも必要以上に心配せずに労働基準監督署の調査に対応できます。
もしも是正勧告が出てしまったら・・・
調査の結果、改善が必要と判断された場合は「是正勧告書」が交付されます。これは「すぐに改善してください。」という指導ですので、期限までに誠実に対応をすれば、書類送検等の重い処罰を受けることはありません。
不明な点があれば、監督官に確認しながら進めましょう。
労働基準監督署の調査は、会社の健康診断
以前に顧問先の社長が「労働基準監督署の調査は、会社の健康診断だと思っている。」と仰られたことがあります。この言葉を聞いて、私は本当にその通りだと思いました。
労働基準監督署の調査は、会社が労務管理を見直すチャンスです。事前に調査がどういったものなのかを知っておくだけで、「不安」が「安心」に変わることもあります。調査に当たった時は、過度に身構えずに、必要な準備をし、誠実に対応していきましょう。
アールワンでは、労働基準監督署を始めとした各種調査の立ち合いや対応を行っております。お困りのことがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。

社会保険労務士法人アールワン 赤井 加奈絵(あかいかなえ)
服飾資材を扱う会社に勤務後、職場環境を整える仕事に興味を持ち、アールワンに入社しました。お客様に寄り添った課題解決をすることを心がけています。またアールワンの採用担当として、より良い採用活動ができるように試行錯誤中です。休日は、整体や銭湯に行き、心身ともにリフレッシュしています。
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