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会社が適切に労働時間を管理すべき「2つの理由」とそのリスクを知っていますか?

会社が適切に労働時間を管理すべき「2つの理由」とそのリスクを知っていますか? - 社会保険労務士事務所オフィスアールワン | 東京都千代田区

こんにちは。東京都千代田区の社会保険労務士事務所オフィスアールワンの濵中(はまなか)です。最近、「ニンテンドークラシックミニ」という、昔のファミコンソフトで遊べるゲーム機を買いました。小学生の頃の懐かしさにひたりながら楽しんでいます!

さて、国が「働き方改革」の一環として、長時間労働の是正に向けた取り組みを強化しているのは、このブログでも何度もお伝えしているとおりです。この流れは今後も続くことが予想され、会社による労働時間管理は「必須」といえる時代になりました。

ところで「会社が労働時間管理を行わなければいけない理由」とは、そもそもなんでしょうか?そして、それを怠ったときの「具体的なリスク」はどのようなものでしょうか?

実はこれらに簡潔に答えられる人は多くありませんが、会社が適正な労働時間管理に取り組むためには「リスク意識」が欠かせません。今回の記事では、その基礎的なポイントをぜひ確認してください。

 

①「36協定違反」の問題

労働時間管理に取り組むべき1つ目の理由は「36(サブロク)協定違反」です。

労働基準法では原則、労働時間の上限を「1週間40時間かつ1日8時間まで」としています。そこで、この時間を超えて労働をさせる場合には、従業員代表との書面による「協定」を締結し、労働基準監督署に届出することで、その締結した時間の範囲内で従業員に時間外労働をさせることができるようになります。その協定のことを「36協定」といいます。

つまり、この36協定の時間を超えて時間外労働をさせてしまった場合に、「違法な残業」ということになります。

※36協定が締結されていなければ、労働時間が1日8時間を超えただけで違法な残業となります。

 

そして、この違法な残業をさせてしまった場合の罰則は

「6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金」

となっています。

ただし、36協定違反があった場合、通常はまず労働基準監督署から是正指導を受けることになります。そこで速やかに改善の報告(是正報告書)を行えば、罰則が適用されることはまずありません。しかし、過去にも指導が繰り返されていて実質的な改善が見られない、あるいは取り組んでもいない、など悪質と判断された場合には罰則が適用されることになります。

また、平成27年の通達では「社会的に影響力の大きい企業」「違法な残業が相当数の労働者に認められている」「複数の事業場で繰り返されている」など一定の要件に該当する場合には、その企業名が労働局のホームページで公表されることになっています。

 

②「安全配慮義務違反」の問題

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労働時間管理に取り組まなければいけないもうひとつの理由が「安全配慮義務」の問題です。

会社と従業員が雇用契約を結んだ場合には、「会社は従業員を安全な状態で働かせなければならないという義務」を負います。これが「安全配慮義務」です。

この「安全な状態」については、たとえば建設業などにおける落下防止措置といった物理的なものだけではなく、「長時間労働をさせない」ということも含まれています。仮に長時間労働が常態化して、それが原因で脳疾患を発症して亡くなってしまった場合、会社は安全配慮義務に違反していたことになり、民事で債務不履行による損害賠償請求を受ける可能性があります。そして、このような場合は1億円を超える損害賠償額となることが通例となっています。

 

では、どれくらいの長時間労働であった場合に、会社の安全配慮義務違反が問われるのでしょうか?

これは、厚生労働省が労災認定基準を発表しています。それが脳・心疾患であった場合、

「発症前1か月間におおむね100時間」そして「発症前2か月ないし6か月にわたって、1か月あたりおおむね80時間」を超える時間外労働があった場合

となっています。

精神障害の場合の労災認定基準においても同様の基準が存在しているため、会社はこれらの基準に該当するような長時間労働を絶対に発生させないようにするべきです。

 

労働時間管理を徹底するための鍵は?

以上のリスクを鑑みても、労働時間を管理して長時間労働を抑制していくことは会社経営における非常に重要な課題です。しかし、経営層や人事労務部門だけがそのリスクを意識しているだけで実態がすぐに変わることは期待できません。現場を変えるためのもっとも効果的なポイントは、部下を持つ管理職の意識改革にあります。

しかし、管理職のなかには「結果が出ないのであれば残業をしてでも結果を出すべき」「俺が若い頃はもっと働いていた」などといった意識のままで、昨今の労働時間管理の重要性とそのリスクについて正しく理解できていないという人も少なくありません。そして、それが往々として問題の引き金となります。

そのため、管理職に対しては、労働時間についての考え方や、管理をしないことで会社に発生するリスクを共有する機会を、できるだけ早く設けるべきです。そして「会社が一丸となって労働時間管理に取り組む!」というメッセージも強く伝えていきましょう。

※当事務所でも、管理職向けの労働時間管理研修を行っております。詳細はぜひお問い合わせください。

 

濵中 伸介(はまなかしんすけ)のイメージ

執筆者

社会保険労務士事務所オフィスアールワン 濵中 伸介(はまなかしんすけ)
入社9年目。三人の子供と、読売ジャイアンツと西武ライオンズをこよなく愛する39歳です。 新規契約のお客様の案件を担当することが多く、就業規則や人事評価制度の構築など、幅広く対応しています。最近では外部からセミナー講師のご依頼を頂くケースも増えてきました。 現在、フルマラソン参加を目標にトレーニング中です。

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