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すべてご存知ですか?会社を守るために、必ず結ぶべき労使協定。

すべてご存知ですか?会社を守るために、必ず結ぶべき労使協定。 - 社会保険労務士事務所オフィスアールワン | 東京都千代田区

こんにちは。東京都の社会保険労務士事務所オフィスアールワンの鈴木(すずき)です。先日、鬼怒川温泉に行ってきました。途中で寄った日光東照宮は学生のとき以来でしたが(10年以上ぶりです・・・)、補修されていたせいか色鮮やかで、当時とはまた違った印象を受けました。

さて、労使協定とは「会社と労働者の代表との間で結ぶ、書面による協定」のことを言い、これを結ぶことによって、労働基準法等で定められている会社の義務が免除・免罰されるといった効果があります。

たとえば、労働基準法では本来の労働時間は「原則1日8時間、1週間40時間まで」となっていますが、労使協定を結ぶことによって、時間外労働をさせたり、変形労働時間制で1日8時間を超えて労働させるといったことができるようになるのです。

労使協定には数多くの種類がありますが、そのなかには「締結をしたうえで、労働基準監督署に届出をしなくてはいけないもの」と「締結だけで、届出の必要がないもの」の2種類があります。今回はそれらの、必ず締結しておくべき労使協定をご紹介します。

 

1.締結して、労働基準監督署へ届出する義務がある労使協定

①時間外・休日労働(36協定)
②労働者の委託による貯蓄金の管理
③1ヶ月単位の変形労働時間制(※)
④1年単位の変形労働時間制
⑤1週間単位の非定型的変形労働時間制
⑥専門業務型裁量労働制における労働時間の算定
※③は就業規則などで規程していれば、労使協定は必要ありません。

これらの労使協定については、締結後に労働基準監督署への届出が必要となります。(②はその後も毎年、預金の管理状況の報告が求められます)

このうち、①の36(サブロク)協定はよく耳にする協定ですが、従業員に時間外労働や休日労働をさせる会社であれば、必ず結んでおかなければいけません。また、これは有効期間が最長1年間のため、毎年の更新が必要となります。

「従業員は残業しているけど、何も不都合が生じていないから36協定を締結も届出もしていない」という会社、あるいは「締結したけど、届出の義務があることを知らない」という会社もあるようですが、36協定の届出をしていないことで不都合が生じるのは、労働基準監督署の調査にあたったときです。

労働者基準監督署の調査では、従業員の労働時間が長時間になっていないかの確認が行われます。その際に36協定の提出がされていなければ、そもそも時間外労働を少しでもしているという時点で是正の対象となります。また、「36協定すら出していない会社」ということですと、監督官によるチェックが厳しく行われるということもあるでしょう。

 

2.締結の義務はあるが、届出の義務が無い労使協定

①事業場外みなし労働時間制
②賃金の一部控除
③フレックスタイム制
④一斉休憩の適用除外
⑤年次有給休暇の計画的付与
⑥年次有給休暇中の賃金支払
⑦育児休業・介護休業の対象労働者の一部除外
⑧高年齢者の再雇用制度に伴う人選基準の設定

これらの労使協定は、届出の必要はありませんが、締結して会社に保管しておく必要があります。「届出の必要がないから・・・」と労使協定を結んでいなければ、いざというときに会社を守れなくなるケースもあるため安易な考えは禁物です。

たとえば、②「賃金の一部控除」の労使協定については、会社が従業員への賃金を支払う際に、「所得税や社会保険料等以外のもの」を控除する場合に必要となります。例えばですが、社宅費や立替金、食事代などです。(この労使協定を締結せずに弁当代の控除を行っていた会社が、監督署の調査時に是正勧告の対象となったケースが実際にあります!)

また、⑦の「育児休業・介護休業の対象労働者の一部除外」は、締結しておくことで入社1年未満の従業員や所定労働日数が少ない従業員を、育児休業や介護休業の取得対象から除外することができます。これがないと、入社して間もない従業員にも育児休業を取得させなくてはいけないことになってしまいます。そして今年(2017年)の10月には、育児休業の最長期間が1年半から2年に延長されるため、この労使協定の結び直しが必要となります。

 

さて、ここまで見てきた労使協定ですが、平成25年度に発表された厚生労働省の労働時間等総合実態調査では「36協定を締結している企業は全体の55.2%」にとどまっています。従業員が時間外労働や休日労働をすることはごく一般的なことに思えますが、そのような会社の大半が労働基準法違反のリスクをまさにいま抱えているということです。

労使協定は「会社を守る」という意味では、就業規則と同じくらい重要なものといえます。ぜひこの機会に、自社の労使協定を見直してみてはいかがでしょうか。

 

鈴木 悠也(すずきゆうや)のイメージ

執筆者

社会保険労務士事務所オフィスアールワン 鈴木 悠也(すずきゆうや)
前職を退職したきっかけが自身の腰痛であり、そこで「労災」の分野に興味を持ちこの業界に飛び込みました。 現在は日々ご依頼いただくお客様の社会保険・労働保険の手続申請に、迅速かつ正確に対処していくことがミッション。入社3年目、毎日が勉強です。 旅行が好きで、時間がある時は、次はどこに行こうかと計画を練っています。

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