アールワン日誌 Blog

あなたの会社は、長時間労働の従業員の健康に配慮していますか?

あなたの会社は、長時間労働の従業員の健康に配慮していますか?

こんにちは。社会保険労務士事務所オフィスアールワンの西嶋(にしじま)です。最近、ようやく自宅のインターネット回線をADSLから光に変えました・・・。とても快適です。

長時間労働が原因とされる精神疾患、過労死や自殺といったケースは、残念ながら珍しいものではありません。前年度よりは多少減少したものの、平成25年度の労災認定は742件となっています。

さらに、民事訴訟で会社の過失や安全配慮義務違反が認められた場合には、数千万円から1億円を超える多額の損害賠償金の支払いが生じるなど、企業経営への影響も大きなものとなります。

労働者の健康を守るために、企業に求められることは何でしょうか?今回は、2つの対策義務についてお伝えいたします。

 

①「医師面談の実施」

医学的知見でも、「長時間労働が続くと、脳・心臓疾患や精神疾患を発症するリスクが高まる」と言われております。これらのリスクを予防する観点から、長時間労働を行った労働者には、医師による面接指導を行うことが企業に義務付けられています。

面接指導等の要件としては下記のとおりとなります。

1:「時間外・休日労働時間が【1ヶ月当たり100時間を超え】、かつ、疲労の蓄積が認められる労働者が面接の申し出をした場合」


医師による面接指導は「義務」となります。また、医師の意見を勘案し、就業場所の変更や作業転換、労働時間短縮等の措置が必要です。

 

2:「時間外・休日労働時間が【1ヶ月当たり80時間を超え】、疲労の蓄積が認められる労働者や、健康上の不安を有している労働者が面接の申し出をした場合」


医師による面接指導等必要な措置の配慮を行う「努力義務」が求められます。

 

さて、上記だけをみると「1ヶ月あたり80時間未満」や「労働者からの面接の申し出がない」といった状況であれば、企業には義務が発生しないように思えないでしょうか?しかし、上記の面接指導の要件に該当しない場合であっても、企業は労働者の健康に配慮する義務があることにくれぐれも注意する必要があります。

実際に今年(2014年)の判例では、「労働者本人からの申告がなくても、体調の悪化が見て取れる場合には、企業は安全配慮義務を免れない」という主旨を最高裁が示しました。この判例により、企業はこれまで以上に従業員の健康管理に配慮する必要が出てきた、といえます。

 

②「長時間労働の削減対策」

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また、企業は労働日ごとの労働時間を管理・把握し、長時間労働が常態化しているような場合には、削減に向けた対策を行うことも必要とされています。

<対策例>
①毎週・隔週・毎月などの一定の頻度で「ノー残業デー」を設ける。
②業務量や繁忙時期によって、定時より遅く出社する・早く帰社するなどの「フレックス勤務日」を設ける。
③残業時間と業務内容の事前申請と、翌日にその実績の報告をさせることで時間外労働の計画性を高める。
④残業時間の上限を設ける。上限を超えてしまった場合、本人と一緒に理由を検証し削減対策を行う。
⑤ノー残業デーと同様に、一定期間の単位での有給休暇の取得日数を設定する。
⑥部署・チーム単位などで定期的に対策方法について話し合いの場を設ける。

 

上記は対策の具体例ですが、もちろん他にも方法はあるでしょう。なにより「企業として長時間労働対策に本気で取り組む」という姿勢を全社員と共有することで、意識付けを行うということが実際に削減を行っていくうえでは大切です。

 

簡単ですが、今回のポイント2点は以上となります。(あなたの会社では実施されていますか?)

会社において、従業員の健康は「自己責任」ではありません。あくまで、労働者の安全と健康確保の責務は企業側にあります。

「労災に対するリスク回避」という観点ではなく、「従業員が健やかに長く働ける環境づくり」という目的から、企業は労働時間の管理と労働者の健康状態の把握にいっそう力を入れていくべきだと言えます。

 

社会保険労務士事務所オフィスアールワン 西嶋 一樹(にしじまかずき)のイメージ

執筆者

社会保険労務士事務所オフィスアールワン 西嶋 一樹(にしじまかずき)
サッカーと水泳が好きな32歳です。 担当しているクライアントのほとんどが100人未満の中小規模の会社様ですので、大企業とは異なるスタイルでの人事労務のリスクマネジメントに腐心しています。最近はマイナンバー対応に注力しており、得意分野といえるようになってきました。 いつの日かサッカーの本場イングランドでサッカー観戦がしたいと思っています。

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