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知らなければ損?医療費の自己負担額を減らす制度は漏れなく利用しましょう。

知らなければ損?医療費の自己負担額を減らす制度は漏れなく利用しましょう。 - 社会保険労務士法人アールワン | 東京都千代田区

こんにちは。東京都の社会保険労務士法人アールワンの黒木(くろき)です。毎日のあまりの暑さに、我が家の猫たちは「こんなに胴が長かった??」と思うくらい伸びています。家の中の涼しい場所も、猫たちについていけばわかりますね。

先日、咳が止まらなくて病院へ行きました。咳止めの薬をもらうだけのつもりだったのですが、いくつかの検査を受けたうえ、何種類も薬が処方されたため、(3割負担ではあるものの)案外とお金がかかるなぁと感じました。特に重い病気を抱える人にとっては、その医療費は大きな心配ごとの一つではないでしょうか。

そこで今回は、医療費の自己負担額を減らすための方法をいくつかお伝えします。

 

1.高額療養費制度を利用しましょう

高額療養費とは、1ヶ月に1つの医療機関で払った金額が自己負担限度額を超えた場合に、その超えた額が支給される制度です。(入院時食事療養費の標準負担額や特別料金、差額ベッド代などは支給対象になりません。)

高額療養費は、医療機関ごとに計算しますが、同じ医療機関であっても、医科入院や医科外来、歯科入院、歯科外来にわけて計算して、それぞれ1ヶ月の自己負担額が21,000円以上のものが合算対象となります。そして、被保険者だけではなく、その扶養家族の21,000円以上のものも世帯合算できます。

また、病気やけがで会社を長期間休職している方や、前年の収入が少なく非課税に該当する方は、市区町村で非課税であることを証明してもらうことで、自己負担限度額が少なくなります。(ただし、69歳以下で下表のアとイに該当する人の場合は、非課税であっても自己負担限度額に変更はありません)

 

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※「医療費」は保険適用される医療費の総額(10割)のことです。
※診療を受けた月以後の1年間に3ヶ月以上の高額療養費の支給を受けた場合には、4ヵ月目から「多数回該当」となり、自己負担限度額がさらに軽減されます。

医療費が高額になることが事前にわかっているという場合には、「限度額適用認定証」の申請をしておくことで、当初より窓口での支払額を自己負担限度額までとすることができます。

 

2.医療費の補助を活用しましょう

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(1)こどもに対する医療費助成制度

市区町村によって、運用が異なりますが、健康保険者証を提示して支払う自己負担金は、小学校入学前までは2割、小学生以上は3割となります。それを全額もしくは、一部を市区町村で負担してもらえる制度です。

 

(2)自立支援医療制度

何らかの精神疾患(てんかんを含みます)によって通院治療の必要がある人を対象に、外来への通院、投薬、訪問看護などについて、健康保険の自己負担金の一部を公的に支援する制度が自立支援医療(精神通院医療費の公費負担)です。ただし、入院については対象となっていません。

市区町村の窓口で申請を行い、交付された「自立支援医療受給者証」と「自己負担上限額管理票」を、受診のたびに医療機関に提示することで、1ヶ月あたりの負担が世帯所得によって設定された上限金額までとなります。(上限に満たない場合は、1割負担)

なお、本制度による医療費助成を受けられるのは「指定自立支援医療機関」での医療に限られていますので、市区町村もしくは精神保健福祉センターで確認が必要です。

 

(3)指定難病への医療費助成制度

「指定難病」と診断され、「重症度分類等」に照らして病状の程度が一定程度以上の場合に、都道府県の窓口で申請を行い、医療受給者証の交付を受けることで医療費が助成されます。

自己負担上限月額は、世帯所得と本人の収入によって決まります。複数の指定医療機関を受診した場合でも、自己負担上限月額以上の負担はありません。それは、医療受給者証とともに交付される「自己負担上限額管理票」によって以下の仕組みで管理されます。

①各指定医療機関にて、受診のつど自己負担上限月額の範囲内で医療費の2割(または1割)を支払います。
②そのつど、徴収額を管理票に記入してもらいます。
③自己負担累積額が自己負担上限月額に達した場合は、そのときの指定医療機関が確認し、その月に負担上限月額を超える費用徴収は行われません。

 

(4)長期高額疾病についての負担軽減

「血友病」、「抗ウイルス剤を投与している後天性免疫不全症候群」、「人工透析を必要とする慢性腎臓疾患」の長期患者が対象です。健康保険組合で特定疾病の認定を受けると、医療機関への支払いが1ヵ月10,000円までとなります。(人工透析を必要とする患者が上位所得者に該当する場合は自己負担1ヵ月20,000円まで)

 

3.ジェネリック医薬品の利用を検討しましょう

ジェネリック医薬品の価格は、新薬の約2~5割に設定されています。毎日飲む必要がある場合や数種類処方された場合には、低価格のジェネリック医薬品を選択することで自己負担額の軽減につながります。たとえば、高血圧の薬を1年間毎日1回服用した場合は、新薬で7,280円程ですが、一番安いタイプのジェネリック医薬品は1,340円程となり、年間で5,940円の差額が発生します。

なかには、ジェネリック医薬品が存在しない新薬もありますので、くわしくは薬局で確認ください。また、調剤薬局へ行くときには「お薬手帳」を持参することで医療費が40円安くなります(3割負担の場合)。

 

今回ご紹介した医療費の助成に該当しなかった場合でも、1月~12月までに10万円以上の医療費を支払った場合は、税金を納めている方でしたら医療費控除が使えます。1年の間には何が起こるかわかりません。病院や薬局の領収書、医療機関へ通院した際にかかった電車賃・バス代のメモ書き、公共交通機関が動いていない時間帯のタクシー代の領収書などは、捨てないで保管してください。そして、生計を同じくする世帯全員の中で一番収入の多い方が確定申告をすることで還付金の金額が大きくなります。

厚生労働省による医療費の動向調査では、2016年の1人当たりの医療費は32万円を超えていて、年々少しずつですが増えてきています。一方、サラリーマンの平均年収も2009年を底に少しずつ増えてはいるものの、社会保険料の負担増を背景に手取り額はむしろ減っているのが現実です。家計防衛の手段のひとつとして、医療費の自己負担の減額をぜひ意識しておいてください。

 

黒木 知子(くろきともこ)のイメージ

執筆者

社会保険労務士法人アールワン 黒木 知子(くろきともこ)
早いもので入社して13年目を迎えました。日ごろから社会保険の手続き業務が数多く発生するお客様を担当させていただき、これまで実にさまざまな手続きに携わってきました。そこで常に痛感しているのは、事前の準備とお客様へのご案内の大切さです。プライベートでは飼い猫に癒されながら、日々の活力を養っています。

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