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2020年から義務化の流れ!電子申請の導入検討時にかならず知っておきたいポイント。

2020年から義務化の流れ!電子申請の導入検討時にかならず知っておきたいポイント。 - 社会保険労務士法人アールワン | 東京都千代田区

こんにちは。東京都の社会保険労務士法人アールワンの長谷川(はせがわ)です。最近、妻がホームベーカリーを買いました。息子の食欲がとどまることを知らないため、カロリーの低いパンを手作りしてしまおうという作戦だそうです。妻と息子のカロリー戦争はまだまだ続きそうな予感がします・・・。

2018年3月に改定された厚生労働省の『「行政手続コスト」削減のための基本計画』において、大企業(資本金が1億円を超える法人など)に対して2020年4月1日から電子申請を義務化する方針が示されました。義務化の対象は、今のところ社会保険の一部手続き(賞与支払届、算定基礎届、月額変更届)のみとなる予定ですが、今後も対象となる手続きの拡大や、また中小企業にも義務化がおよぶ可能性があります。

最近のマイナンバー運用の強化や働き方改革の要請も相まって、私たちの法人にも電子申請の導入についてご相談をいただく機会が増えてきました。そこで今回は、電子申請の導入を検討するにあたってのいくつかの注意点をお伝えしたいと思います。

 

「e-Gov申請」と「API申請」の違いやメリットは?

e-Gov電子申請は、従来、紙ベースで行われていた社会保険・労働保険の手続きをWEB上で行える政府提供のサービスです。運用開始から10年以上が経ちましたが、利用率は手続き全体の12%(2016年時点)となかなか普及が進まない現状があります。

また、一言に「電子申請」といっても、人事労務分野の電子申請には2つの申請方法があります。それは、政府が提供しているe-Govウェブサイトから申請する方法(ここでは「e-Gov申請」と呼びます。)と、e-Govウェブサイトを通さずにAPI対応ソフトから直接申請する方法(ここでは「API申請」と呼びます。)です。その2つの大きな違いは「使いやすさ」と「申請できる手続きの種類」だといえます。

まず、「使いやすさ」についてですが、政府が提供してるe-Gov申請は「操作が複雑」「進捗管理機能がない」など様々な問題を抱えています。これに対して、API申請の場合はe-Gov自体の仕様に関係なく、それぞれの民間企業が開発した対応ソフトの画面と機能を利用することができます。そのため、近年ではe-Gov申請と比べて圧倒的に使いやすいAPI対応ソフトが増えています。当社も、そのうちのひとつである『シャーロット』を導入したおかげで簡単に電子申請を利用できるようになりました。

このAPI対応ソフトの普及によってAPI申請件数も急増しており、2017年9月時点では全体の電子申請件数のうちおよそ半分にせまる46%がAPI申請で行われています(総務省行政管理局調べ)

次に「申請できる手続きの種類」についてですが、e-Gov申請で電子申請できる手続きの全てがAPI申請できるわけではありません。たとえば「育児休業等取得者申出書」や「産前産後休業取得者申出書」については、API申請に対応していないため、e-Gov申請でないと電子申請を行えません。ただし、その他の主要な手続きについてはほぼAPI申請で行えるため、電子申請業務を行うなかでAPI申請を不便に感じる場面はほとんどないでしょう。

 

電子証明書は「ファイル形式」での取得がお勧め

次に、電子申請を利用するうえで欠かせないのが、電子証明書の取得です。電子証明書を発行する認証局は複数ありますが、そのなかからe-Govに対応した電子証明書を取得する必要があります。

<認証局のご案内|電子政府の総合窓口e-Gov>

また、電子証明書にはファイル形式とICカード形式の2種類がありますが、ここでご注意いただきたいのは、API対応ソフトの多くがICカード形式には対応していないということです。

セキュリティの観点から、ICカード形式の電子証明書を希望される企業が多いのですが、API申請を行う場合、ファイル形式の電子証明書を再度取得する必要がでてきてしまいます。そのため、電子証明書はファイル形式で取得することをお勧めします。

 

組合加入の企業は、導入の事前に検討を

健康保険組合、労働保険事務組合は、e-Gov電子申請に対応していません(e-Gov電子申請と同様のデータを使って手続きができる組合も一部あります)。そのため、組合加入の企業が電子申請を導入した場合には、厚生年金保険についてはe-Gov電子申請だが、健康保険と雇用保険については組合に紙で申請、といったように申請方法が複数発生してしまうことになります。

そのため、健康保険組合、労働保険事務組合に加入している企業においては、電子申請を導入した場合にどれだけ業務効率を上げられるのかについて事前の慎重な検討が求められます。

 

電子申請の導入には、届出書を手書きする手間の削減、郵便代や役所に行く交通費などのコスト削減、書類紛失や情報漏洩に対するセキュリティの向上など、さまざまなメリットがあります。毎月発生する手続きが多い大企業や派遣企業、支店が多い企業にとっては、そのメリットはさらに大きいものとなるでしょう。

しかし、せっかく電子申請を導入しても、業務効率が悪化したということでは本末転倒です。各社が提供しているAPI対応クラウドサービスには一長一短があるため、自社にとって一番適したサービスを導入するためには、ある程度の時間と労力をかけて選定する必要があります。

当社は、複数のAPI対応クラウドサービスのアドバイザー認定を受けており、中小企業から大企業まで幅広く電子申請業務の導入のお手伝いをさせていただいております。お困りの際には、ぜひ一度ご相談ください。

 

長谷川 靖二郎(はせがわせいじろう)のイメージ

執筆者

社会保険労務士法人アールワン 長谷川 靖二郎(はせがわせいじろう)
大学の法学部を卒業後、法律事務所やキャリアコンサルタントなどの業種を経験。「法律」と「人」に対する強い興味が現職のモチベーションです。人材業界の経験から、会社にとって「人」がどれだけ重要であるかを痛感しており、特に採用関連のトピックは色々とご相談に応じられます。「自分が変われば周りも変わる」がモットー。お酒が好きで何でも飲みます。

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