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懲戒処分をする際の必須条件

懲戒処分をする際の必須条件 - 社会保険労務士法人アールワン | 東京都千代田区

こんにちは。東京都の社会保険労務士法人アールワンの黒木(くろき)です。先日、携帯電話を落とし諦めていたところ、その日のうちに交番から連絡があり、無事に戻ってきました。世の中捨てたものではないと改めて実感しました。

顧問先で、社員を採用しても短期間で辞めてしまうという現象が続いてしまう会社がありました。退職の本当の原因をつかむため社員面談を行った結果、ある特定の人物がその原因になっていることがわかりました。すぐに懲戒処分を行いたいとのことでしたが、それにはいくつか問題がありました。そこで、今回は、懲戒処分をする場合の必須条件についてまとめました。

 

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「懲戒処分をするための前提」

懲戒処分をする前提として問題行動に対して「注意・指導」をしていたのかが重要になります。会社としては、どのような行動がどのような点で問題であるかを本人に理解させることで、まず改善を図る必要があります。その際には、注意・指導した履歴を残しておく必要があります。

その上で、会社が指導してもどうしても行動が改まらない場合には、懲戒処分を検討することになります。

 

「就業規則の見直しが必要だった」

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懲戒処分を行う時に重要になってくるのが、就業規則です。就業規則には、「その違反の事実に対して懲戒処分を行う」と明確に規定されていなければなりません。注意・指導をしておくことで、「正当な理由なく会社の指揮・命令や指示等に従わないとき」という規定に基づき懲戒処分をすることが可能になります。

先日、HP経由でお客様との間でトラブルになった社員の懲戒処分についてご相談があり、就業規則を確認したところ、服務規律が曖昧で、就業規則違反に問えないのではないかということがありました。

裁判例でも、保育園の送り迎えに社用車を利用、勤務成績も不良だった従業員に対し、就業規則に基づいて行った解雇の正当性が争われた事例では、「会社は直接注意した事実もなく黙認されており、些細な事実で制裁として重きに過ぎて合理性を失する。加えてその他の解雇理由も、規則の違反条項が不明であり権利濫用である。」(T社事件・甲府地裁平成21年3月17日判決)という判決が出ています。

このHP経由でご相談のあった会社ではすぐに就業規則の変更を行い、社員に説明を行いました。特に「服務規律」と「懲戒」について丁寧な説明をした結果、それが社内の共通認識となり、当該社員の問題行動も減りました。

 

「懲戒処分をした後、公表したほうがよいのか?」

懲戒処分をした後は再発防止のために社内公表をしてもよいのか?という相談もよくあります。

東京地裁の裁判例においても、「懲戒処分は、不都合な行為があった場合にこれを戒め、再発なきを期すものであることを考えると、そのような処分が行われたことを広く社内に知らしめ、注意を喚起することは、著しく不相当な方法によるのでない限り何ら不当なものとはいえないと解される」とされています。(X社事件・東京地裁平成19年4月27日判決)

では、著しく不相当な方法とはどういうことなのでしょうか。この事件では、会社内の掲示板に処分を受けた従業員に交付された通知書と同一の文書を張り出す形で行われ、掲示の期間は発令の当日のみであったことから、著しく不相当な方法であったとは言えず、名誉毀損にはあたらないと判断されました。

会社は社内公表をする前に、公表することが必要やむを得ないことなのか、必要最小限の表現であるか(被害者又はその関係者のプライバシー等は守られているか)、懲戒処分を受けた従業員の名誉や信用に可能な限り尊重した方法であるかをよく検討しなければなりません。また、社内公表を前提とするならば、懲戒処分は公表する場合があると就業規則にも規定しておくことも大切です。

 

問題行動に対し、一度も注意していないということは、会社は容認していたと判断されます。問題行動には、日頃から注意・指導を根気よく続けることがとても大切になります。その上で、会社は、就業規則に基づいた懲戒処分を行うこととなります。定期的に就業規則の見直しを行い、社内に周知をしておくことが会社を守ることにつながります。

 

 

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黒木 知子(くろきともこ)のイメージ

執筆者

社会保険労務士法人アールワン 黒木 知子(くろきともこ)
早いもので入社して14年目を迎えました。日ごろから社会保険の手続き業務が数多く発生するお客様を担当させていただき、これまで実にさまざまな手続きに携わってきました。そこで常に痛感しているのは、事前の準備とお客様へのご案内の大切さです。プライベートでは飼い猫に癒されながら、日々の活力を養っています。