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自己申告で勤怠管理をしている企業は注意が必要です。労働時間の適正な管理が求められます!

2019/10/20

自己申告で勤怠管理をしている企業は注意が必要です。労働時間の適正な管理が求められます! - 社会保険労務士法人アールワン | 東京都千代田区

こんにちは。東京都の社会保険労務士法人アールワンの笹沼(ささぬま)です。消費税増税に伴い、QRコード決済を利用し始めましたが、支払いがとてもスムーズになりました。また、利用実績も携帯のアプリで管理しているため、携帯一つで全て行えるようになりました。その反面、携帯電話で色々なことを管理・把握しているため、無くしてしまった場合、何もわからなくなってしまいますので、そのためのリスク対策が必要と感じました。

2019年4月から労働基準法改正に伴い、時間外労働の上限規制が開始となりました(大企業は2019年4月、中小企業は2020年4月から施行開始)。このことで、勤怠管理ソフトを導入して労働時間を管理したり、毎月の労働時間の確認を開始した企業も多いのでは無いでしょうか。

ただし、勤怠管理を自己申告(自身で勤怠管理ソフトに出退勤を入力等)している場合、その申告内容が適正かどうかを確認したことはありますでしょうか。「労働時間の適正な管理」が義務化されたことに伴い、労働基準監督署の調査で、勤怠管理実績と入退室やPCのログ等の乖離があり、多額の未払い残業代が請求された事案がありました。

そのため、自己申告でのみ労働時間を管理している場合、長時間労働や未払い残業の隠れたリスクが発生している可能性があります。

そこで、労働時間の適正な管理と対策について、お伝えします。

 

企業の経営者・担当者さま

「もっと詳しく知りたい」「今この件で困っている」そのようなときには、こちらよりご連絡ください。

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【労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン】とは

自己申告により労働時間の始業・終業時刻の記録を行う場合、使用者は以下の措置を講ずる必要があります。

①自己申告制の対象となる労働者に対して、労働時間の実態を正しく記録し、適正に自己申告を行うことなどについて、十分な説明を行うこと
②自己申告により把握した把握した労働時間が実際の労働時間と合致しているか否かについて、必要に応じて実態調査を実施し、所要の労働時間の補正をすること
③自己申告をした労働時間を超えて事業場内にいる時間について、その理由等を労働者に報告させ、確認すること。
④使用者は労働者が自己申告できる時間外労働の時間数に上限を設け、上限を超える申告を認めない等、労働者による適正な申告を阻害する措置を講じてはならないこと

上記の通り、自己申告で労働時間を管理する場合、従業員に対し、適正な申告を行うための説明及び周知が必要です。また、定期的な実態調査をする必要があります。

 

具体的な対策は?

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では、具体的にどのような対策を取る必要があるのでしょうか。

【対策①:3か月に一度、勤怠管理の実績とPCの使用時間の記録(または入退室記録)との付けわせを行う】

所属長(または人事部)は、自己申告された勤怠実績とPCの使用時間(または入退室記録)の時間を確認し、乖離が無いかを確認します。乖離時間は、「1日30分程度」を目安とし、乖離している場合はその理由を確認します。確認した結果、労働時間に該当するのであれば勤怠実績を補正します。また、実態に合わせた勤怠を申告するよう、指導・注意する必要があります。

【対策②:自己申告の勤怠から、ICカード等の管理に変更する】

昨今の勤怠管理ソフトは、ICカードによる勤怠管理ができる場合があります。従来のタイムカードのように、事業場の入り口に設置し、出社時または退社時にカードリーダーにかざすことで、労働時間が自動登録されます。また、スマートフォンで扉を開閉する「スマートロック」というシステムがあります。スマートロックと勤怠管理ソフトを連携させ、労働時間を管理します。

 

自己申告による労働時間管理と実際の労働時間が乖離していれば、隠れた長時間労働が発生し、時間外労働の上限規制を超過している可能性があります。また、長時間労働が発生することで、労働者の生産性は低下、未払い賃金の発生、長時間労働による優秀な人材の退職を引き起こす可能性があります。このようなことを防ぐためにも労働時間管理の確認が必要です。ご不明な点がございましたら、お問い合わせください。

 

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笹沼 瞬(ささぬましゅん)のイメージ

執筆者

社会保険労務士法人アールワン 笹沼 瞬(ささぬましゅん)
生命保険会社の営業職から転じて、入社13年目。担当クライアントの多くが社員100名以上の規模の会社様ということもあり、法改正の情報は特に早めにキャッチアップすることを心がけています。得意な分野の助成金・補助金申請はずいぶんと経験値が増えてきました。趣味でテニス(最近はインドアが多いです)をやっていますので、テニスやられる方はぜひお声かけください。