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思わぬ落とし穴!健康診断後の医師の意見聴取をされていますか?

2023/10/20

思わぬ落とし穴!健康診断後の医師の意見聴取をされていますか? - 社会保険労務士法人アールワン | 東京都千代田区

こんにちは。東京都の社会保険労務士法人アールワンの赤井(あかい)です。先日、富山に旅行に行ってきました。富山市内にある「富岩運河環水公園」という公園で散策を楽しみ、身も心もリフレッシュすることができました。

労働基準監督署の調査において、多くの会社が指摘されるのが「健康診断後の医師の意見聴取」です。健康診断をしなければならないことは知られていますが、この意見聴取についてはあまり認知がされていません。そこで今回は、健康診断後の医師の意見聴取についてお伝えします。

 

企業の経営者・担当者さま

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定期健康診断の結果を従業員に通知した後に行うこと

会社は定期健康診断の結果を受け取り、従業員に通知した後は何を行ったらよいのでしょうか。安全衛生法では定期健康診断で異常の所見があった従業員について、医師の意見を聴かなければならないことになっています。

(安全衛生法第66条の4)

事業者は、第六十六条第一項から第四項まで若しくは第五項ただし書又は第六十六条の二の規定による健康診断の結果(当該健康診断の項目に異常の所見があると診断された労働者に係るものに限る。)に基づき、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について、厚生労働省令で定めるところにより、医師又は歯科医師の意見を聴かなければならない。”

 

また、医師の意見聴取には下記のルールがあることに留意する必要があります。

①健康診断の結果を証明する書面が事業者に提出された日から3ヵ月以内に行うこと
②聴取した医師の意見を健康診断個人票に記載すること

 

産業医がいない場合には産業保健総合支援センターを活用しましょう!

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産業医がいる企業では、定期健康診断後、従業員の異常の結果に対して、産業医に意見を聞くのが一般的です。

しかし、産業医の選任義務がない従業員が50人以下の企業は、どのように対応したら良いのでしょうか。そこでぜひ活用したいのが、地域産業保健センターです。

各都道府県に産業保健総合支援センターという、事業主等に対し職場の健康管理への啓発を行うことを目的とした機関があり、その地域の窓口として地域産業保健センターがあります。地域産業保健センターでは、労働者数50人未満の小規模事業場の事業者や労働者に対し、医師による面接指導の相談や健康相談窓口の開設を行っています。

また健康診断結果に基づいた健康管理も行っています。つまり、地域産業保健センターで、健康診断結果について医師の意見を聴けるということです。原則、利用料は無料のため、産業医がいない会社では意見聴取の体制を整えるために積極的に活用してみてください。

 

会社を護るために健康診断後の医師の意見聴取を行いましょう

健康診断後の意見聴取は安全衛生法で定められており、従業員の健康を守るために必要なことです。しかし、それと同時に会社を護ることにも繋がります。異常の所見があったにもかかわらずに、会社がそれを放置して働かせてしまい、結果として重大な病気や怪我を発症した場合、会社は安全配慮義務違反を問われることになります。

健康診断結果を従業員に通知した後、安心してしまいがちですが、健康診断結果を通知した後の会社の対応が重要です。

 

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赤井 加奈絵(あかいかなえ)のイメージ

執筆者

社会保険労務士法人アールワン 赤井 加奈絵(あかいかなえ)
以前は服飾資材を扱う会社の企画・デザイナー職でしたが、職場環境を整える仕事に興味を持ち、アールワンに入社しました。いまは正確な知識と実務経験を積み、仕事の幅を広げることに注力しています。目標はプロとして「経営者と従業員が相互信頼できる環境」を作るためのお役に立てる社労士になることです。 映画鑑賞とアート&デザイン、旅行が好きです。