介護離職ゼロに!?企業が活用すべき「介護休業取得応援奨励金」の勧め
2024/07/20
こんにちは。東京都の社会保険労務士法人アールワンの佐々木(ささき)です。先日、自宅近くの書店が閉鎖されてしまいました。新しい小説、雑誌などを眺めることが息抜きのひとつだっただけに、とても寂しい気持ちになりました。
スマホや電子書籍の普及などが背景にあり、年間600店舗の書店が閉鎖しているともいわれています。その為、書店の生き残りをかけ、場所によっては、シェア型の書店を展開しているところもあるようです。
私たちも、時代の変化とともに、企業として様々な制度を考え、対策を講じていく必要があります。例えば、介護離職の防止です。厚生労働省の調査によると、2022年に介護を理由とした離職者数は約10万人近くにのぼり、特に55歳~59歳までの男女の割合が高くなっているのが特徴です。
このように介護離職は、深刻な問題となっており、働き盛りの世代が介護離職を余儀なくされることは、企業にとっても大きなダメージとなります。
そこで、提案したいのが、「介護休業取得応援奨励金」(都内中小企業向け)です。
【奨励金の目的】
従業員に介護休業を取得させ、職場環境を整備した場合に企業に奨励金を支給する事で、介護休業を促進し、就業の継続を後押しします。
【主な要件】
1.都内に本社または事業所を置き、6か月以上継続して雇用保険に加入している労働者が2名以上300名以下の中小企業等。
2.合計15日以上の介護休業を取得した後、原職に復帰し、3か月以上継続雇用されている、都内事務所勤務の従業員がいること。
3.育児・介護休業法に定める取り組みを上回る、以下のいずれかを含む制度を令和6年4月1日以降に就業規則に定めること。
①介護休業期間の延長
②介護休業の取得回数の上乗せ
③介護休暇の取得日数の上乗せ
④4時間単位の介護休暇導入(中抜けを認めるもの)
【取組の具体例】
「①介護休業期間の延長」を例に挙げますと、以下の様な取り組みです。
現行法では、対象家族一人につき通算93日の介護休業を取得する事ができますが、法の上回りとして、93日を超えた日数を設定し、就業規則に規程する事等があります。
【奨励金額】
介護休業取得日数
合計15日…27.5万円
合計31日以上…55万円
※申請は1事業者につき、一事業年度に1回までとします。
私の友人も家族の介護が必要になり、仕事と介護の両立に大変苦労しています。仕事と介護を両立することは、ストレスも重なり大変な経験だと感じます。そして、超高齢化社会が進む中、仕事と介護の両立は多くの従業員が直面する課題なのではないでしょうか。だからこそ、企業は、時代の変化に合わせた取り組みを行い、従業員を支援することが必要なのです。
ぜひ、この「介護休業取得応援奨励金」を活用し、介護離職ゼロに向けた取り組みを始めましょう!
社会保険労務士法人アールワン 佐々木 真美(ささきまみ)
以前は旅行会社に勤務してりました。主に従業員100名前後の顧問先様を担当しており、お客様の様々なトラブルやお悩みに誠実に対応する事を心がけています。
カフェ巡りや自然が好きなので、休日はドライブを楽しんでいます。
140社の人事労務をサポートする、東京都千代田区の社会保険労務士法人アールワンが提供。人事労務ご担当者の方の実務に役立つ情報をお届けします。
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