2024年10月から社会保険の適用が拡大されます。会社としてどのような対応が必要か?
2024/07/30
こんにちは。東京都の社会保険労務士法人アールワンの西嶋(にしじま)です。先日、家族でいわき市の水族館に行きました。イルカショーなどはない水族館ですが、魚釣り体験、餌やり体験ができ、楽しい時間を過ごすことができました。
現在、101人以上の事業所では、短時間労働者に対して社会保険の適用がされていますが、2024年10月1日から適用事業所が拡大されます。今回は適用拡大に備えて会社が行わないといけないことについてお伝えします。
新たに適用対象となる事業所
2024年10月1日から被保険者数51人以上の会社が対象となります。
※従業員数ではなく、社会保険に加入している被保険者が51人以上いる会社が対象です。事業所単位ではなく、会社全体での被保険者数で判断されます。
下記を全て満たす従業員が社会保険加入対象となります。
①週の所定労働時間が20時間以上
②賃金(所定内賃金)が88,000円以上(残業代、通勤手当、臨時的な賃金等は含みません)
③学生ではないこと(休学中、定時制、通信制の学生は加入対象となります)
④2ヶ月以上の雇用の見込みがある
会社が行うこと
STEP1 加入対象者となる従業員の確認
STEP2 社会保険に加入となった場合の社会保険料負担額の試算(従業員、会社負担それぞれ)
STEP3 社会保険へ加入対象となる従業員への説明
全体に説明を行い、手取り額(加入前、加入後)など具体的な話は個別に行う。社会保険に加入すると手取り額が減るというデメリットばかりが目立ちますが、将来受け取る年金額が増えること、傷病手当金、出産手当金などの給付が受けられるメリットもあります。こちらの説明も行い、デメリットだけではないことを伝えましょう。
STEP4 社会保険への加入説明を受けての労働条件変更などの対応
社会保険には加入せず、配偶者の扶養の範囲内での就業を希望される方、社会保険には加入するが手取り給与額は、現状を維持されたい方それぞれで要望があるかと思います。業務状況と要望を考慮し、労働条件の変更を行う必要があります。
STEP5 年金事務所の調査対応に備える
被保険者が51人以上のほとんどの会社は、年金事務所が実施する調査の対象となります。直近2年分の出勤簿、賃金台帳を提出し、調査を受けることになります。社会保険に加入すべき方が加入済みかの確認が主ですが、最近、通常の賞与とは別で支給される一時金(資格取得報奨金、社員紹介制度による報奨金など)の支給がないかなど確認されています。(こちらの一時金は賞与支払届の対象となります)
適用拡大により保険料負担や従業員の労働条件の変更などの対応だけでも大変なことですが、加入要件などが変わるタイミングでは年金事務所の調査が行われることがほとんどです。
調査に該当した場合、自社は問題ないか予め確認しておいてください。
社会保険労務士法人アールワン 西嶋 一樹(にしじまかずき)
サッカーと水泳が好きな37歳です。担当しているクライアントのほとんどが100人未満の中小規模の会社様ですので、大企業とは異なるスタイルでの人事労務のリスクマネジメントに腐心しています。お客様の要望に迅速に対応できるよう、日々精進していきます。週末は家族と一緒に近所を散歩するなどしてリラックスして過ごしています。
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