アールワン日誌 Blog

育児休業中に大きなケガや病気をしたら、傷病手当金の申請もお忘れなく!

育児休業中に大きなケガや病気をしたら、傷病手当金の申請もお忘れなく! - 社会保険労務士事務所オフィスアールワン | 東京都千代田区

こんにちは。東京都の社会保険労務士事務所オフィスアールワンの笹沼(ささぬま)です。なぜか最近、味噌ベースのチャーハンにはまってます!特に挽肉とレタスを入れた味噌チャーハンが好きなのですが、他のいろいろな食材も試してみたいと思っている今日このごろです。

子どもが生まれて育児休業をしている期間には、雇用保険から「育児休業給付金」を受け取ることができることはよく知られています。(2017年の10月1日以降は「子が2歳」になるまで期間が延長できるようになります)

 

さて、その育児休業の期間中にもしも大きなケガや病気をしてしまった場合、どのような保障が受けられるかはご存じですか?今回は「育児休業中の傷病手当金の受け取り」について、私のヒヤっとした経験とあわせてお伝えします。

 

「2つの公的な保障は同時に受け取れない?」

つい先日のことです。育児休業中の社員がいる会社の担当者の方から、こんな相談を受けました。

「育児休業中の社員から連絡があり、1ヶ月ほど入院することになってしまったそうです。それに対して、なにか公的な保障はありませんか?」

その従業員の方は正社員として働いておりましたので、社会保険に加入していました。そのため、もしも育児休業中でなければ「《健康保険》の傷病手当金と限度額適用認定証を申請しましょう」とお伝えするところです。

しかし、そのときの私は「《雇用保険》の育児休業と、《健康保険》の傷病休業は同時に成立しない」という認識でした。そのため「育児休業給付金を受け取っているので、傷病手当金は受け取ることができません。限度額適用認定証だけ申請しましょう」とお伝えしようと思いました。

ただ、この時点で若干違和感がありました。「育児休業給付金と傷病手当金を同時に受け取ることができない根拠」に自信が持てなかったのです・・・。そこで改めてきちんと確認をしてから連絡をすることにしました。

 

健康保険の「傷病手当金」とは

pixta_28299427_S - 社会保険労務士事務所オフィスアールワン | 東京都千代田区

そもそも「傷病手当金」は、病気やケガ等で休業して勤め先から給与が発生しない場合の所得保障制度です。その一般的な概要としては、

◇健康保険に加入している(国民健康保険の加入者は対象外です)
◇病気やケガなどの理由で、医師から「労務不能」と判断され、継続して4日以上休業した

という場合に支給されるものです。(休業のうち最初の3日分は支給対象外となり、4日目以降の休業した日数に応じて、給与の約67%の金額を受け取ることができます)

そのため多くの方は「育児休業はそもそも会社を休業している期間であるので、傷病手当の支給条件は該当しないのではないか」とイメージするはずです。

 

育児休業と傷病休業は「同時に成立します」

しかし、今回調べた結論をお伝えすると

「雇用保険の育児休業給付金と、健康保険の傷病手当金は同時に受け取ることができる。また同時に受給しても、その金額が減額されることはない」

ということです。

厚生労働省から以下のような通達が発表されていました。

◯育児休業期間中の傷病手当金
傷病手当金又は出産手当金の支給要件に該当すると認められる者については、その者が育児休業期間中であっても傷病手当金又は出産手当金が支給されるものであること。なお、健康保険法の規定による傷病手当金又は出産手当金が支給される場合であって、同一期間内に事業主から育児休業手当等で報酬と認められるものが支給されているときは、傷病手当金または出産手当金の支給額について調整を図ること(平成4年3月31日保険発第39号・庁文発第1243号)」

 

ここには「育児休業中であっても、傷病手当金の要件を満たせば(つまり労務不能なケガや病気であれば)、健康保険の傷病手当金を受け取ることができる」と明記されています。

そのうえで、「《出産手当金》を同時に受け取っている場合や給与が支給されている場合は、傷病手当金の金額が調整される」と記載されていましたが、《育児休業給付金》については「同時に受け取ることはできない」あるいは「受け取った場合は金額が調整される」とは記載されていません。実際に複数のハローワークや年金事務所、協会けんぽなどの役所に問い合わせたうえで「雇用保険の育児休業給付金と健康保険の傷病手当金の同時受け取りは問題なし」と確認することができました。

その旨を会社の担当者の方にお伝えし、傷病手当金の申請を進めさせていただきました。もしも私が「休業に関する2つの公的保障を同時に受け取ることはできない」という思い込みのまま、お客様にお伝えしてしまっていたら、本来受け取れるはずの保障を受け取れない事態になっていたところでした・・・。

 

このように国の社会保障制度は充実している反面、管轄する役所や法律が多岐にわたるため複雑になっています。そして、それらは原則、知らないまま申請や請求をしない人は受け取ることができないのです。

あなたの育児休業中に何らかのアクシデント(ご自身や家族が入院をするなど)があった場合には、受けることができる公的保障がないか、まずは会社に相談することをお奨めします。「育児休業をしているのに、これ以上は会社に迷惑をかけられない・・・」と思う人も多いようですが、そのような心配は無用ではないでしょうか。もしもあなたが復職できないようなことがあれば、それは会社にとっても大きなリスクとなるのですから。

 

笹沼 瞬(ささぬましゅん)のイメージ

執筆者

社会保険労務士事務所オフィスアールワン 笹沼 瞬(ささぬましゅん)
生命保険会社の営業職から転じて、入社6年目を迎えます。担当クライアントの多くが社員100名以上の規模の会社様ということもあり、法改正の情報は特に早めにキャッチアップすることを心がけています。得意な分野の助成金・補助金申請はずいぶんと経験値が増えてきました。 和柄のTシャツと豆腐に目がなく、自宅の冷蔵庫には常に豆腐が入ってます。

企業のご担当者さまへ

もしかして、この記事のテーマについてお悩みでは?
「社労士への相談」が、解決の近道かもしれません。

東京都・千代田区の社会保険労務士事務所オフィスアールワン

お急ぎであればお電話で相談予約を承ります

03-5215-1361

平日 9:00~18:00(土日祝を除く)

WEBからのお問い合せはこちら

人事労務まわりのご心配ごとがあれば、トラブルとなる前にぜひ一度ご相談ください。