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「タイムカードをつけていれば安心?」今こそ労働時間管理の見直しをお奨めします!

「タイムカードをつけていれば安心?」今こそ労働時間管理の見直しをお奨めします! - 社会保険労務士事務所オフィスアールワン | 東京都千代田区

こんにちは。東京都の社会保険労務士事務所オフィスアールワンの長谷川(はせがわ)です。先日、私が昔から通っている飲み屋さんが主催するバーベキューに家族で参加して、楽しい時間を過ごしてきました。子ども連れの参加者が多かったのですが、もうすぐ2歳になる私の息子の食欲には皆が圧倒されたようです・・・。

先日、厚生労働省より平成28年度の「監督指導による賃金不払残業の是正結果」が公表されました。これは、全国の労働基準監督署が企業への監督指導を行った結果として、《1企業で合計100万円以上の不払いの割増賃金》が各労働者に支払われた事案のみを取りまとめたものです。

そこで注目すべき点は、前年度と比べて《支払われた割増賃金の合計額》が約100億円から127億円に、《1企業あたりの平均額》も741万円から943万円と、どちらも25%以上増加していることです・・・。

今回は、会社にとってますます重要性が高まる「労働時間管理」を効果的に実施するためのポイントを、近年の労働基準監督署の調査の実態とともにお伝えします。

 

出勤簿やタイムカードだけではリスクが大きい?

「うちの会社は従業員にちゃんと出勤簿をつけさせているし、残業代も払っているから大丈夫」

と安心している企業は多いのではないでしょうか?

しかし、出勤簿やタイムカードに記録されている退社時刻の後もじつは仕事をしていた、というケースはよく見受けられます。そして、こういった状況を放置していると、労働基準監督署の調査が入った場合に、会社は大きなリスクを抱えることになってしまいます。

これが以前であれば、労働基準監督署の調査は出勤簿やタイムカードだけで確認して調査終了ということも多かったため、このような「隠れた残業」が指摘されることはほとんどありませんでした。しかし、最近の労働基準監督署の傾向として、出勤簿のほかにパソコンのログやビルの出入館記録などについても調査されることが増えています。

実際に、私が最近立ち会った調査でも出勤簿と退出記録の付け合せが行われ、そこで1時間以上の誤差があった日については、何をしていたのかの確認のために、その従業員を呼んでのヒアリングまで実施されていました。

冒頭でご紹介したように、監督指導により支払われた割増賃金額が大幅に増加したのも、このように近年の労働基準監督署の調査がより厳格になっていることが1つの要因として考えられます。従業員数が数十人以上の規模となってくれば、事業主や管理者が従業員一人ひとりの出退勤を目で見て確認することは難しいはずです。そうすると出勤簿の記入やタイムカードの打刻など、従業員の自己申告だけに頼っていては正確な労働時間管理ができず、会社のリスクを回避できない状況といえます。

 

自己申告に頼らず労働時間を管理する方法とは

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それでは、会社が従業員の労働時間を正しく管理するためには、どのような方法があるでしょうか?会社の規模や業種によっても方法はいろいろと考えられますが、最初に必要なことは「従業員からの自己申告以外にも、実際の就業状況を把握できる情報」を探すことです。たとえば次のようなものです。

□管理者が社内の見回りを行う。
□定期的にパソコンのログを確認して、出勤簿との乖離がないかチェックする。
□従業員との面談やアンケートを実施して、労働時間の申告漏れがないかチェックする。

そして、予想外の未払い残業代を発生させないためには、従業員が残業をする場合には事前の申告と上司の承認を得るという「残業申告制」の導入が有効です。

しかし、残業申告制は、従業員とその上司に事務的な負担が発生します。特に上司は、「申告書の承認」や「残業の多い部下へのフォロー」などの業務負担が大きくなります。それによって、せっかく残業申告制を導入したのに、形式的な書類のやり取りだけになり制度が形骸化している例も多く見られます。

そのため、残業申告制を導入する際に重要なポイントは、はじめから厳格なルールを設定するのではなく、無理なく運用できるルールでスタートすることです。

 

「残業申告制」が効果的に稼働したケース

ここで実際に、私たちの事務所の顧問先企業における残業申告制の導入事例をご紹介します。

この会社では、当初は自己申告制のタイムカードのみで労働時間の管理を行っていました。しかし、従業員がタイムカード打刻後も仕事をしているケースが多かったため、労働時間管理を強化するため、残業をする場合は全て残業申告制とすることにしました。しかし、予想以上の残業申告があったために、やはり管理者が対応しきれない状況となっていました。

そこで改めて、申告の対象を「1日に1時間を超える残業」に限定して、管理者が処理できる範囲にルールの緩和を行いました。

すると、管理者に従業員の労働時間を管理・確認する余裕が生まれ、残業の多い従業員に対して面談を行う機会も増えました。それにより残業が発生しやすい業務の見直しや、従業員のモチベーションの維持にもつながっているとのことです。

 

従業員の労働時間管理は、長時間労働や過重労働に対する安全配慮義務の問題にも影響するため、会社にとっては避けては通れない課題といえます。そして、会社の「リスク回避」という観点だけではなく、長時間労働の抑制や生産性向上が「人材の定着」や「競争力の強化」を実現するというポイントも見逃せません。

労働時間管理を強化しようとすれば、就業規則の整備や、それぞれの会社の状況を踏まえた制度の設計が必要不可欠です。お困りの際には、ぜひご相談ください。

 

長谷川 靖二郎(はせがわせいじろう)のイメージ

執筆者

社会保険労務士事務所オフィスアールワン 長谷川 靖二郎(はせがわせいじろう)
大学の法学部を卒業後、法律事務所やキャリアコンサルタントなどの業種を経験。「法律」と「人」に対する強い興味が現職のモチベーションです。 人材業界の経験から、会社にとって「人」がどれだけ重要であるかを痛感しており、特に採用関連のトピックは色々とご相談に応じられます。 「自分が変われば周りも変わる」がモットー。お酒が好きで何でも飲みます。

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