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申請をしない方が良かった?助成金の申請にはご注意ください!

2019/07/10

申請をしない方が良かった?助成金の申請にはご注意ください! - 社会保険労務士法人アールワン | 東京都千代田区

こんにちは。東京都の社会保険労務士法人アールワンの笹沼(ささぬま)です。最近、図書館通いにはまっています。最近の図書館はPC持ち込み可の場所もあり、勉強だけでなく、仕事をする場としても最適です。働き方改革として在宅勤務やテレワークが推奨されていますが、「図書館」も働く場所の選択肢一つとしてはいかがでしょうか?

毎年4月になると、厚生労働省から、当年度の助成金の詳細が発表されます。そのため、「この要件に当てはまると〇〇万円の助成金が受け取れます」といったDMやFAXを目にすることがあるのではないでしょうか。助成金は返済不要の公的資金ですので、うまく活用すると会社にとっても大きなメリットがあります。ただし、助成金を受け取ることだけに視点がいってしまうと、大きな落とし穴があり、結果として会社の経営を悪化させてしまうことがあります。

そこで、助成金を申請する前に確認すべきことをお伝えします。

 

企業の経営者・担当者さま

「もっと詳しく知りたい」「今この件で困っている」そのようなときには、こちらよりご連絡ください。

catButton - 社会保険労務士事務所オフィスアールワン | 東京都千代田区

 

制度導入しただけでは助成金がもらえない?

人間ドックや乳がん健診等、労働基準法で定められている以上の健康診断を、一部会社負担で実施する制度を導入することで受け取ることができる「人材確保等支援助成金」があります(57万円の助成金)。「5人受診することで57万円もらえるなら、会社と従業員にとっても良い制度なので、ぜひ着手しよう」と思われることがあります。

ただし、制度導入前と比較して「離職率が下がった場合」にのみ受け取ることができるという要件があります。制度導入しただけでは受け取ることができないのですが、助成金のDM等では、そこまで記載されていない場合があります。

また、制度を導入するには、就業規則に規定する必要があります。就業規則に規定してしまうと、簡単にその制度を廃止することはできません。結果として、会社の制度として継続はするものの、助成金を受け取ることができない、ということがあります。

※受診人数は、事業所の規模によって異なります。

 

助成金は1度しかもらえない?

従業員が自主的な教育訓練や検定を受けるために、有給の特別休暇(教育訓練休暇)制度を導入し、実際に使用することで受け取ることができる「人材開発支援助成金」があります(30万円の助成金)。こちらは100人未満の会社であれば1人(5日以上)が休暇を取得していれば要件を満たしますので、「社員のスキルアップのための休暇であれば、ぜひ導入しよう」と思われることがあります。

ただし、この助成金は最初の1回だけしか受け取ることができません。また、今後、事業規模拡大を予定しており、社員数が増えた場合でも、社員が希望する場合は休暇を取得させる必要があります。そのため、休暇を取得する社員の不足をカバーするための人員が必要となり、助成金以上のコストが発生する場合があります。

これらの制度は、一度導入をしてしまうと制度を廃止することは難しいため、受け取れる助成金の金額と社員の福利厚生やキャリアプラン、今後の事業計画等から判断する必要があります。

 

「どんな企業でも〇〇万円受け取ることができます」といった助成金の案内を見ると、金額に目が行ってしまいます。しかし「その助成金を受け取るために発生するコストは?」「毎年受け取れる助成金?もしくは1回(1人)だけの助成金?」「本当にその助成金の制度にそって実施することが会社のためになるのか?(形式だけの制度導入になっていないか、目的が助成金を受け取ることだけになっていないか)」を検討する必要があります。

 

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笹沼 瞬(ささぬましゅん)のイメージ

執筆者

社会保険労務士法人アールワン 笹沼 瞬(ささぬましゅん)
生命保険会社の営業職から転じて、入社12年目。担当クライアントの多くが社員100名以上の規模の会社様ということもあり、法改正の情報は特に早めにキャッチアップすることを心がけています。得意な分野の助成金・補助金申請はずいぶんと経験値が増えてきました。趣味でテニス(週1回目標!)をやっていますので、テニスやられる方はぜひお声かけください。